尾瀬の只見幹線 福島側 1日目

尾瀬沼

 連休だ。今年の夏の暑さにめげていたが、連休は標高の高いところへ鉄塔を見に行くことにした。尾瀬を越える只見幹線だ。
 群馬側からの尾瀬越えは、一昨年に調査した。(ブログはサボって書いていない ごめんなさい)
 2年ぶりの尾瀬。今度は尾瀬から福島側へ下りるルートを歩く予定だ。東武鉄道会津田島行き直通快速会津高原尾瀬口まで3時間、そこからバスに揺られて1時間半。沼山峠から尾瀬沼へ入った。これで尾瀬に檜枝岐側から入ることができる。

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大江湿原でアオサギを見た

 今日は尾瀬沼のテントサイトで1泊。明日は早出して檜枝岐川の七入まで巡視路を下る予定だ。連休だけにサイトは満杯。オートキャンプ場のような賑わいだった。

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ヤナギランの綿毛 もう秋ですね

只見幹線と「鉄塔ママ」のこと

 只見幹線は田子倉ダムから東京町田の西東京変電所までを結ぶ電源開発の送電路だ。その半分以上は日本有数の山深い山中を通過している。


 田子倉ダムを出発した只見幹線は只見川を遡り奥只見ダムへ抜ける。そこから大津岐川沿いの尾根を通り、会津駒ヶ岳の西南尾根を越えて檜枝岐の谷―七入に下りる。檜枝岐川を越えた只見幹線はまたまた山登り、尾瀬沼の東、黒岩山を結ぶ分水嶺尾根を越え群馬県へ入る。
 尾瀬を越えて四郎山の西を横切り、片品の山中を縦断し利根川へ。利根川を越えると赤城山の東を抜けてようやく関東平野へ下りる。ここまですべて山の中である。

写真:「只見幹線 山岳地区ルート図」へリンク
只見幹線 山岳地区ルート図 【画像不明】


 関東平野へ抜け出した只見幹線はひたすら南下、東京都町田市の西東京変電所まで関東平野を縦断する。最終鉄塔は西東京変電所の際に建つ570号だ。
 西東京変電所から赤城山手前256号までの長大な関東平野縦断経路は「鉄塔ママ」ご一行の調査で有名なのでご存知のことと思う。(→http://members2.jcom.home.ne.jp/tettou-mama/


 「鉄塔ママ」は山深くなった地点で再会を期して中断を余儀なくされた。何しろ子連れ3人旅、これは賢明な判断だろう。私は気楽な山好き老年。256号の「その先の風景」を少し紹介してみたいのだ。

尾瀬の只見幹線

 とはいうものの只見は遠く山深い。遭難しても熊に襲われても誰も同情しないルートだらけだ。「その先の風景」の全ルート踏破はとうてい不可能。まずは気軽に尾瀬越えを考えた。


 只見幹線の山岳ルートでまともな登山道でアプローチできる地帯はこの尾瀬だけなのだ。おまけに超有名な尾瀬だから宿泊も交通の便も最高だ。
 只見幹線が尾根を越える地点は尾瀬沼から鬼怒沼山へ向う歩道を1時間半ほどの広くゆるやかな尾根。広く切り拓かれた尾根を124号125号126号と3本の鉄塔が立ち、送電線を福島側から群馬側へ渡している。
 ここには電源開発の只見幹線竣工記念碑が建っている。私はここを「尾瀬電発峠」と呼んでいる。

写真:「尾瀬電発峠 只見幹線125号124号(2010/9撮影)」へリンク
尾瀬電発峠 只見幹線125号124号(2010/9撮影)


 一昨年に登った群馬側からのルートは小さな隠れ湿原などもあり、巡視路もよく整備されていた。果たして福島側はどうなのだろうか。群馬側よりは山深くなるので少々不安がある。熊鈴だけでなく熊よけスプレーも持参。少々大げさな装備も不安の現れだなぁ。
 明日は長丁場、早出したい。大勢さんグループの賑やかな声を聞きながら早々に寝袋に潜り込んだ。

写真:「小さな隠れ湿原と只見幹線131号(2010/9撮影)」へリンク
小さな隠れ湿原と只見幹線131号(2010/9撮影)