安曇幹線なくなる前に 2


 安曇幹線がなくなってしまう。まだ撮影が済んでいない鉄塔も残っている。また、解体作業中の安曇幹線にやってきた。
 送電線はのっぽの赤白ネコ383号手前まですっかりなくなっていた。作業用のケーブルだろうか、細い線が2条空を渡っている。
 幸いこの先はまだ送電線が残っている。撮影が済んでいない鉄塔はこの先が多い。今日は他の鉄塔もチェックしながら進む。


 赤白のっぽネコ383号を前景に奥武蔵の山に登る鉄塔がよく見えた。一番奥には‘鎌北の頭’と名付けた363号の姿も見えた。

安曇幹線386号と奥武蔵の山に登る安曇幹線たち

新所沢変電所から高麗川まで

 線が外された鉄塔を順に見て歩く。

安曇幹線 391号 S44.3 41m
変電所内にたつ最終鉄塔。私が初めて見たときから送電線はこの鉄塔で終わっていて変電所には繋がっていなかったが、小さいながら最終鉄塔にふさわしい堂々とした立ち姿だった。これで見納めなんでしょうかね。悲しいですね。
安曇幹線 390号 S44.3 44m
耐張のとんがり耳角度鉄塔。畑の中をやってきた送電線を新所沢変電所へと曲げていた。
安曇幹線 389号 S44.3 53m
V吊りの背が高い耳折れネコ。変電所横の自動車道路脇に立っていた。。
曇幹線 388号 S44.3 62m
V吊り耳折れネコ。畑の中に立っていた。
安曇幹線 387号 S44.3 45m
角度。これかわいかったんだよね。
安曇幹線 386号 S44.3 56m
V吊り耳折れネコ。農道横に立っていた。
安曇幹線 385号 S44.3 45m
この鉄塔付近で新所沢線と安曇幹線を武州線(6万)が横切っていた。ばかでかい新所沢線83号(95m)。それに比べれば子供のような安曇幹線386号、その下にまるで豆粒のような武州線11、12号(16.1m)。おもしろい風景だったのだが。


 先ほどから工事現場の入り口にある看板が気になる。入口には「No.245」と「A386」の記述がある。「A386」は安曇幹線を指すのだろうが、「No.245]は何だろう。
 No.245という新しい鉄塔が立つのだろうか。

補足:西上武幹線(500KV)という中東京幹線の増強版が新所沢変電所に来るらしい。その番号がNo.245なのだろうと思われる。

看板
安曇幹線 384号 S44.3 56m
日高変電所そばの県道に面して立つ鉄塔。隣は新所沢線82(赤白鋼管)。うっかりしたことにこの鉄塔をまともに撮った写真がない。次の赤白のっぽネコ383号に気をとられ何時もパスしていたようだ。ごめんなさいと鉄塔に謝る。線は外されてしまったが今日はちゃんと撮影する。
安曇幹線384号


 赤白のっぽネコ383号の根元に来る。ここまでの線は撤去済みだったが、ここから先にはまだ送電線が残っていた。どうやら現在の工事はここまでのようだ。
 鉄塔が片側に引っ張られるのを防ぐためだろう。塔頂からケーブルが何本も地上へ引かれテンションのバランスをとっていた。

安曇幹線 383号 S44.3 80m
赤白の大ネコ。結界がとても広い。横には中東京幹線421号と中東京‐信濃川線(JR)12号。安曇幹線はここで二つの路線を越えて行った。

 安曇幹線赤白ネコを中心に中東京幹線とJRの中信線が集う野原。水田と野原と鉄塔。とても美しいところだった。レジャーシートを引いてゆっくり昼食を採った幸せな時間を思い出す。

安曇幹線383号
根元には大量の碍子が積まれていた


 383号を後に高麗川へ向かって歩く。

安曇幹線 382号 S44.3 45m
高麗川手前の道沿い。周りは畑でフェンスで囲まれていた。赤いとんがり耳が素敵な鉄塔だった。


 なおも川へ向かって進むと城山のてっぺんの379号から380号、高麗川ほとりの381号までがとてもよく見える場所にきた。紅葉がとてもきれいだ。

紅葉の城山を降りてくる安曇幹線


 結界には入れる安曇幹線381号まで行く。見納めの結界写真を撮る。

安曇幹線 381 S44.3 62m
高麗川左岸の田んぼの中。赤い耳折れネコ。背の高い鉄塔だ。結界に入れる。
381号結界写真 三角配列烏帽子は一見、四角鉄塔のように見えるが下に尖った腕金、上に長方形ができる


 新所沢変電所の方を振り返るとたくさんの鉄塔が広がっている。新所沢線、安曇幹線、中東京幹線、JR中信線。何と言っても赤白ネコがこの風景の主人公なのだが…

高麗川河畔から新所沢変電所方面を眺める


 城山に立つ380、379号は昨年回ったばかりなので回らずに先を急ぐ。378号から先、鎌北湖の間は鉄塔の写真がない。比較的近場だからそのうち回れるだろうと高をくくっていたのだ。

安曇幹線 380 S44.3 45m
城山の上公園の切れたところ。ここからぐんと下がる丘の際。赤いとんがり耳。2連耐張。緑フェンス。
安曇幹線 379 S44.3 65m
城山のほぼ頂上の林の中。大きな鉄塔だ。結界の中に入れる。広々としていて気持ちがいい。


 根元まで行ってるくせに写真も記録もない2本378、377号へ向かう。幸いまだ送電線は外されていない。とてもひどい泥道をバイクでふにゃふにゃと登る。

安曇幹線378号 S44.3 60m
この先に八高線が通っていると思われる深い林。この辺りはアプローチがとても不便なところだ。V吊りで耳折れネコ。
安曇幹線377号 S44.3 45m
378号からさらに進んだ林の中。新しい道路を建設中のようだ。耐張のとんがり耳。
安曇幹線377号


 この先、安曇幹線は低い丘づたいに進んでいく。ここからは調査も未了区間だ。ちゃんとチェックをしよう。

安曇幹線376号
V吊り。県道横の丘の上。
安曇幹線375号
2連耐張。総合公園手前の丘の上。ゴルフ場の中だろうか。
安曇幹線375、374号


 鎌北湖へ向かう道に出ると鎌北湖の北尾根に登る安曇幹線の行列が見える。372、371、370、369、368号。この眺めもなくなっちゃうんだろうか。(2010年03月13日には371号は除去され他の鉄塔も送電線が外されていた)

鎌北湖の北尾根に登る安曇幹線 372、371、370、369、368号
安曇幹線 374号 S44.3 53m
V吊り耳折れネコ。毛呂山総合公園、東側の丘の上。
安曇幹線 373号
V吊り耳折れネコ。毛呂山総合公園、西側の丘の上。


 374号と373号はスポーツ公園の広場を挟んで立っている。芝生に寝転んで両側に鉄塔が見える贅沢な場所なのだが。

安曇幹線372号
のどかな田園風景の中。丘の中腹に立つ。2連耐張。手前が伐採されていた。耐張軽角度。


 とても癒される風景に着いたのはもう夕闇迫る頃。あまり条件は良くなかったが、とにかく372号までは撮影が終わった。376、375、373、372号には根元まで行けなかったが滑り込みセーフで鉄塔の写真だけは残せた。
 通うには少し遠すぎる、次に来るときにはどうなっているのか。心配だけを残して帰路に着いた。

安曇幹線372号