奥秩父変電所周辺の鉄塔たち

秩父線5

 下界に降りてきた。ここでは奥秩父変電所周辺の鉄塔をゆっくりと見て回ることにする。まずは県営浦山線と秩父線の合流地点を確認。
 県営浦山線は浦山ダム発電所から出る線ですぐに秩父線に合流する。それが秩父線5号鉄塔だ。


 そこから秩父線経由で奥秩父変電所に向かう。集落の片隅に立つ秩父線はどこか懐かしい感じがする。
 彩甲斐街道沿いにまず秩父線2号。オフセット付きの腕金でなかなかトラディッショナルでいい。


 そして変電所際に秩父線1号。小さい! 20メートルの引き留め鉄塔。高さに比べて鉄骨は太いものを使っているので頑丈な感じ。
 結界は泥で中に入れる。ホントに小さい、かがまないと結界の中に入れない。


 奥秩父線1号のすぐ横に日野田線の1号。こちらは32メートルある。引き留めでかつ重角度。



 さてお次はと見ると、これはこれは! 面白いです。
 ごく小さな鉄塔(15メートル)。送電線を60度くらいの角度で折り返している。上段の腕金は水平配列で3本1回線を受け、下段の腕金から鉄構へと線を伸ばしている。
 鉄塔名は川又線223号。川又線の最終鉄塔だ。
 結界もごく狭い。中に入り込んで結界写真も撮りました。何ともユニークな結界写真。

川又線223号
川又線223号
川又線223号の結界写真
川又線223号の結界写真
川又線222号
川又線222号
右手から垂直配列で来た送電線を上3段の腕金で受け止め
最下段の腕金を使い水平配列で送り出す

 同じく変電所内に川又線222号がある。これもユニークな形。よく見ると階段鉄塔なんですね。日野田線の下をくぐらせるために送電線の高さを低くしている。それであんなユニークな形なんだ。川又線何ともかわいい。鉄塔番号が223って本当に200本以上あるんだろうか?



 東電の奥秩父変電所のすぐ近くに秩父鉄道の中川変電所がある。
 こじんまりした、小さく整ったいい変電所だ。変電所の原型とも言っていいような雰囲気だ。ブーンという音が盛んにしている。


 中に鉄塔が1本立っている。日野田線の鉄塔から2回線を受け取る。線名の札には三峰線と日野田線と書いてあるが肝心の鉄塔名は分からない。仮に秩父中川線とでも呼んでおこう。

秩父鉄道中川変電所
秩父鉄道中川変電所


 ここまでの路線は秩父ローカルの路線だ。奥秩父変電所の魅力は由緒ある幹線がここを通っていることだろう。新しくは安曇幹線。古くは黒部幹線。遠く北アルプスの電気を運ぶ路線だ。奥秩父線も元は黒部幹線だ。
 変電所を取り囲む鉄塔で一番迫力があるのは奥秩父線の1号。ぐるっと塔体を囲む受けの腕金がとても特異だ。すぐ隣に黒部幹線の670-1号が立つ。「の1」鉄塔ということは奥秩父線の分断で新しく立った鉄塔なのだろう。

手前で大きく腕金を回しているのが奥秩父線1号、奥が黒部幹線670-1号 2008/11撮影
手前で大きく腕金を回しているのが奥秩父線1号、奥が黒部幹線670-1号 2008/11撮影


 我らが安曇幹線は山の上から下りてきて奥秩父変電所の横をゆうぜんと通り過ぎていく。312号はそば畑の中。碍子は4連で頑丈そうだ。

安曇幹線312号
安曇幹線312号