結構

 鉄塔は4本の主柱の他に補助の鋼材(腹材)が斜めや水平に組み合わされ強度を上げている。鉄骨の組合せ方を結構と呼ぶ。



ライヒ結構
 送電鉄塔では現在主流の構造。斜材の交点に水平材が入る。実際のブライヒ結構では出来上がった大きな三角形をさらに小さな三角形に繰り返し区切る。その繰り返しが美しい。また塔体にぽっかりと開いた大きな四角形の窓が軽快な感じを与えてくれる。とても美しい結構だ。
 「ブライヒ結構」は昭和16年に鉄塔設計の第一人者、堀貞治氏(1900〜1993)によって開発されたものだという。


ブラット結構
 古い鉄塔に使われている。斜材で作られた四角の窓の対角線を水平材で閉じる。「ブライヒ」の軽快な感じに比べどこか重たく、洗練されない感じを与える。古い鉄塔の朴訥さはこんなところに原因があるのかもしれない。
 実際の鉄塔ではブライヒと同じように斜材の交点部分にも水平に補助材を入れているものが多い。


Kトラス
 鉄塔ではあまり見かけないが何本か発見できている。


ダブルワーレン
 ほとんどの鉄塔の塔体上部は「ダブルワーレン」となっていることが通常だ。まれに脚部を除き全部「ダブルワーレン」という鉄塔も存在する。鋼管を使用した鉄塔に多いようだ。


シングルワーレン
 鉄柱ではよく見かけるが、四角鉄塔で「シングルワーレン」の鉄塔となるととても珍しい。これも鋼管を使用した鉄塔に多いようだ。


 結構については『架空送電線の話』 (http://overhead-tml.net/chousa.html)に詳しいので参考にして欲しい。【リンク変更】