多摩境から橋本へ

左から南多摩線10号 長沼線10号、長沼線11号

 さあいよいよ多摩の丘を降りて橋本へと進む。折り悪く今日は雨。電車で多摩境の駅へと向かった。


 多摩境の駅前で私を迎えてくれたのは長沼線の11号。何か腕金がおかしい。


 そうか下段の腕金2本が逆三角形だ。不思議に思っていたらふとひらめいた。なんだ燭台型(→『送電鉄塔図鑑』)の構造になっているんだ。将来的には逆三角形になっている腕金にブッシュを設置し地中線を分岐させる予定があるようだ。腕金の数ももう一段増やせるよう水平材と座金がすでに用意されていた。


 我らが由木線は12号。整った形のとんがり帽子の2回線鉄塔。もう上部の腕金余らしはない。



 少し先に東からやってくる線がある。それをまず確認しようと歩く。丘の縁に立っていたのは南多摩線の11号だった。西東京変電所以来の再会だ。15万4千ボルト2回線。下段に6万の鶴川線を併架し4回線で進んでいる。
 11号の前の畑に行くと橋本方面の風景が開けた。橋本変電所に向かう送電鉄塔の林がとても見事に見える。送電路が3列だ。3列縦隊で進む鉄塔たち。すごい風景に圧倒される。

橋本方面の鉄塔林


 鉄塔の3列縦隊を満喫して送電線の合流地点に来た。鉄塔は南多摩線10号と長沼線10号。南多摩線は鋼管のがっちりした鉄塔だ。由木線はアングルで上下振り分け型の鉄塔。


 由木線はまずこの南多摩線10号の最下段に支持される。そして隣の長沼線10号鉄塔へと受け渡される。
 長沼線10号では由木線と長沼線下段に併架してきた高幡線とが直接繋がっている。高幡線と由木線は回路的にもここで合流するわけだ。

南多摩線10号と由木線10号


 10号の先で丘を完全に降りる。長沼線の9号が立つ小さな川(境川)で神奈川県に入る。相模原市だ。

渕野辺線10号


 進行方向左手に小さな鉄塔が見える。たぶん3列縦隊の一番左側の路線だ。何という路線だろう。近寄る。
 とんがり帽子、4回線の重角度鉄塔。オフセットのついたきれいな鉄塔だ。名前は「渕野辺線10号」。下段には大野線という路線を併架している。鉄塔札を見ていたら犬が勢いよく吠えてた。早々に撤退する。