15本腕金の鉄塔

只見幹線513号

2008/06/15の4)
 変電所の西側を大きな鉄塔たちが通り抜けている。あれは間違いなく只見幹線だろう。背が高いので新しい鉄塔だろうが独特の風格が滲み出している。
 鉄塔ママのサイトで何年も只見幹線の写真を見てきたおかげで送電線を伝わる奥只見の臭いをかぎ分けられるようになったらしい。


 変電所の西に回る。多摩変電所は只見幹線から給電されているようだ。北からやってくる送電路は512-4で直角に進路を変えて512-3、512-2と経由して変電所に入っていく。変電所から出てくる送電線を受け取るのは513号。そこから再び南下を続けている。

多摩変電所西側
左から只見幹線513、512-4、512-3

 「のいち鉄塔」のオンパレード。只見幹線の建設当初から変電所に立ち寄っていたのではなく、途中で経路変更があったのだろう。
 変電所周辺の鉄塔で建設年を確認できたのは3本。512-2は平成4年11月と新しいが、512-3は昭和44年7月、513は昭和40年10月となっている。只見幹線ができたのは昭和34年だ。どうやら昭和40年頃に変電所が出来上がりこの経路変更があったのではないだろうか。


 変電所に隣接する4本の重角度鉄塔。みんなとてもかっこいい。その中でも特筆ものの鉄塔が513号だ。
 変電所横の公園の中、木立に囲まれて立つ513号は変電所の鉄構から送電線を受け取る鉄塔だ。送電路と鉄構の角度は60度くらいの鋭角。だから外側のケーブルは腕金を4段階に配置して塔体をぐるっと回っていく。内側の腕金をあわせると何と腕金15本の鉄塔だ。


 引留鉄塔だからとても頑丈な作り。主柱はアングル材を十字型に組み合わせとてもごつい。そして腹材… これは何だ! パイプ? 主柱はアングル材だが腹材はパイプを使っている。この組合せは珍しい。太いパイプが骨太の印象をより強めている。只見幹線513



 そして最も大きな特徴は結構がシングルワーレンということだ。脚の部分を除き上部はすべてシングルワーレンで組まれている。これは珍しいのだ。何とも特徴がたくさんある鉄塔である。
(実はこの特徴は後でひろむ君に聞いてはじめた分かった。ひろむくん恐るべしなのだ。)
続く


シングルワーレンなど鉄骨の組み方については送電鉄塔事典 結構をご覧ください。