「ワケありレッドゾーン」のロケ

 読売テレビ「訳ありレッドゾーン」のロケで谷塚線を回る。近場でまだ行ったことのない路線というリクエスト。そこで谷塚線の落ち穂拾いを取材してもらうことにした。鉄塔趣味の最初の頃に回った線は、記録が欠けてたり、鉄塔を飛ばして回ったりと穴だらけなのだ。
 谷塚駅で待ち合わせ。ディレクタのBさんとADの方。さすが深夜枠、簡素な構成で頑張っています。今日は少し肌寒い。
 ぶらぶらと谷塚線8号へ向かう。途中から足立線が畑の向こうに見えた。番号不明だが背の高い鉄塔だ。足立線ももう一度回らないといけないなぁ。

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足立線10号前後の鉄塔だ


 この辺りで新発見。どうやら谷塚線は6〜7〜8号をひとつのカテナリ曲線でつないでいるようだ(私はこれを「3点カテナリ」と呼んでいる)。8号は分岐・交差鉄塔でとても背が高い、6号はその先で鹿浜線をまたぐので100メートル弱のこれまた背の高い鉄塔。7号の背の高さを、6号と8号を結ぶ大きなカテナリ曲線に合わせ張力を均衡させる設計なのだろう。
 私は面白いのだが、これを説明するとなるとたいへんなのでテレビ的には割愛ですね。3本一度に撮れるロケーションがあるかも知れない。またまた宿題ができた。

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谷塚線6号と7号 この左側に8号が来て長大なカテナリ曲線を構成する
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谷塚線7号を横から見る


 6号は赤白の大鉄塔。高い! 93メートルある。街道沿いの敷地は広く、すべてコンクリで打ってある。なぜか鉄塔の隣に水抜きの四角穴がある。まさか2本鉄塔が立っていた? …気になる。

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谷塚線6号
写真:「谷塚線6号の隣に水抜き穴、鉄塔跡?」へリンク
谷塚線6号の隣に水抜き穴、鉄塔跡?

 6号を過ぎると谷塚線と鹿浜線は川にそって並行に進んで行く。

写真:「谷塚線6、5号と鹿浜線6、5号」へリンク
谷塚線6、5号と鹿浜線6、5号
写真:「谷塚線5号と鹿浜線5号」へリンク
谷塚線5号と鹿浜線5号

 この辺りから雲行きが怪しくなり大粒の雨が降ってきたがロケは続行。でも京北変電所に近づくとまた晴れた。私は遊びだがテレビクルーは大変ですね。

写真:「谷塚線3号と鹿浜線3号」へリンク
谷塚線3号と鹿浜線3号
写真:「雨はすぐにやんで、調整池のところでは小松川線がきれいに遠望できた」へリンク
雨はすぐにやんで、調整池のところでは小松川線がきれいに遠望できた


 京北変電所を半周してロケは無事終了。短かったけどうまく編集してもらえるかな。私的には谷塚線の記録がこれで全部揃ったので万々歳だ。

写真:「京北変電所(高い鉄塔が南葛線54号)」へリンク
京北変電所(高い鉄塔が南葛線54号)

花の南多摩線

 仕事仲間にも鉄塔ウィルスが感染してしまったようで、鉄塔を見に行く会をやれということになった。それで今年の正月から回っている南多摩線で参加者限定版の「鉄塔ウォーク」をやることになった。ここならピクニック気分で鉄塔を回れる。
 今日はその下見で唐木田から黒川まで歩く。まずはお墓参り。富士山と南多摩線が見えるいい墓地でしょ!

写真:「墓地から眺める南多摩線24号」へリンク
墓地から眺める南多摩線24号


 奈良ばい谷戸から丘に登り、26号27号28号とお馴染みの鉄塔を通過。小野路の宿へと下りる。人家と畑が入り交じる生活感のあるいい丘だ。

写真:「南多摩線27号」へリンク
南多摩線27号


 小野路から関屋の切り通し通って布田道。布田道を離れ南多摩線31号。31号はサクラに彩られていた。

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南多摩線31号


 西東京変電所の丘に登ると32号。いろとりどりの木花が咲いている。

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南多摩線32号


 谷底の33号に挨拶して、ここで根本に行っていない34号に挑戦した。
 34号は西東京変電所側からアプローチすると簡単なのだが、残念なことに道は立ち入り禁止。動物を飼育しているらしいので防疫ということだろう。それでまだ脚元には行っていない。
 そこで変電所に下りる手前の小さな集落から下ってみた。道はすぐ行き止まりになったが、どうやら踏み分け道が先に下りているようだ。そこを下ると34号の根本に出た。鉄塔札や番号看板をゲット。34号から見る西東京変電所の風景もよい。

写真:「南多摩線34号から西東京変電所」へリンク
南多摩線34号から西東京変電所


 西東京変電所からは黒川方面へ布田道経由で向かう。最後の締めは柿生線と西北線だ。

写真:「西北線4号、柿生線4号」へリンク
西北線4号、柿生線4号


 下見はこれでお終い。うん我ながらいいコースだ。

南多摩線(別所から西東京変電所区間)

 鶴川でご飯をゆっくり食べていたら小野路に着いたら4時半になってしまった。家を出発したのが昼過ぎ、そして西北線に寄り道したのだから当たり前か。


 とにかく少しは進みたい。南多摩線31号がある別所から西東京変電所へ向けて歩く。実はこの部分は以前も歩いている。でも南多摩線の33号と34号はどこから入ればいいのか、根本に行けていないのだ。


 まずは南多摩線32号。丘に登り国士舘の入口から右に折れると32号。結界にはヤブを一漕ぎだ。
 この道はとても眺めが良い。遙か下に鎌倉街道、そして遠く小山田の南多摩線まで遠望が効く。

ずんぐりとした33号

 道を左に折れて33号の谷戸に向かう。建築資材置き場の先に33号鉄塔が立っている。南多摩線の鉄塔はすらっとした姿が多いのだが、この鉄塔はずんぐりとしている。

写真:「谷底の南多摩線33号」へリンク
谷底の南多摩線33号


 作業中の方と話すが、谷筋をまっすぐ行く道はないようだ。巻き道はあるのだろうか。
 黒川の谷戸に出る道をひと登り。畑の中に下に下りる道がある。そこを下りてみるときれいに伐採された道がある。そして出ましたよ33号。
 近くに出ること出ましたが最後の部分が荒れ放題の竹林。悪戦苦闘して根本に。


 そこは木が生い茂る暗い谷底。湿地で気を許すとずぶずぶ足が沈む。鉄塔は高さは2メートル以上ありそうな、頑丈なコンクリのお立ち台の上に立っていた。陰気な谷底にじっと我慢して送電線を支えている。遠くから見るずんぐりとした姿はそんな生き様がにじみ出していたんだなぁ。33号、偉い奴だ。

写真:「南多摩線の脚元」へリンク
南多摩線の脚元


 竹藪をまたかいくぐり畑に戻ると正面に只見幹線566号が迎えてくれた。最近建て直された鉄塔だが只見幹線の風貌をちゃんと保っていて好感が持てる鉄塔だ。もう夕暮れも近いが西東京変電所まで歩く。只見幹線の重角度赤白鉄塔と京浜線3・4号線の重角度鉄塔がサイドライトに照らされきれいだ。

写真:「赤白重角度の只見幹線567号と京浜線3・4号線1059号」へリンク
赤白重角度の只見幹線567号と京浜線3・4号線1059号

新しい只見幹線569号

 しばらく行くと鉄塔の基礎だけが残っている。なんと只見幹線569号は建て代わってしまったようだ。10〜20メートル先に新しい鉄塔が立っていた。

写真:「旧・只見幹線569号の跡」へリンク
旧・只見幹線569号の跡

 建て代わった新しい鉄塔は、酸化皮膜のアングル鉄塔、只見幹線伝統の茶色碍子だ。かつての569号はV吊の鉄塔だったが新しい鉄塔は2連耐張になった。高さも少し高くなったような印象がする。

写真:「新しい只見幹線569号」へリンク
新しい只見幹線569号

 まだ南多摩線の34号が未チェックだがもう夕方なのでこれで帰らなきゃ。何しろ街灯というものがない地帯だ。最初に西東京変電所に来た時は全くの暗闇に難儀をした。変電所際の布田道に登り別所へ戻る。何とか薄暗い中バイクまで戻れた。

西北線のH字鋼腕金鉄塔

 結構暖かくなってきたので今日は久しぶりにバイクで鉄塔巡りに出発した。目的は南多摩線なのだが、まずは途中で西北線のH字鋼腕金鉄塔をチェックすることにした。
 多摩丘陵の尾根幹線に稲城から入ると、独特の風貌をした鉄塔を左右に眺めることになる。これが西北線の鉄塔だ。この鉄塔やたらごつい。そう腕金がパイプでもアングル材でもない、H字鋼を使っているのだ。
 前々から通るたびに気になっていたのだが、今日は根本まで行ってじっくり見ることにした。

写真:「西北線21、22号」へリンク
西北線21、22号


 尾根幹線の北側の丘の上に西北線21号と22号、南側に20号。この3本がH字鋼腕金の鉄塔だ。本体は3本とも灰色の鋼管鉄塔。大きく頑丈そうな鉄塔だ。


 西北線21号は重角度鉄塔。角度外側は四角腕金となっている。送電線は腕金の根本近くで受けて、パイプ製のジャンパは鉄塔から離して大きく迂回させている。

写真:「西北線21号の腕金」へリンク
西北線21号の腕金


 西北線22号も重角度鉄塔。角度外側は三角形と四角腕金のふたつで回し込んでいる。角度内側は台形の腕金。パイプ製のジャンパは21号同様だ。

写真:「西北線22号の腕金」へリンク
西北線22号の腕金


 両方とも丘の上の高級そうな住宅地に立ち、根本には近づけないようだ。
 22号から送電線は下界に下りている。下界の23、24号は通常の鉄塔になっている。

 尾根幹線まで戻り、尾根幹線を越えた1本目20号を観察。西北線20号がまたまた個性的な鉄塔なのだ。

写真:「尾根幹線のマーメイド―西北線20号」へリンク
尾根幹線のマーメイド―西北線20号


 武蔵野線関連の施設だろうかきれいに整備された谷底に立っている20号は、キュロットスカートのように裾を広げた鉄塔。マーメイド型と呼べばいいのかな。鉄塔下部の屈曲位置にテラスが巡らされているのも珍しい。そして腕金はH字鋼腕金。軽角度なので腕金は三角形で、21号や22号のようなごつさではなくすっきりとした感じになっている。

写真:「西北線20号の腕金」へリンク
西北線20号の腕金


 なんでH字鋼で腕金を作ったのか、マーメイド型にしたのは何故か。まったく想像できない。でも迫力あるし個性的だし、気になっていた鉄塔をじっくり味わえてよかった。

南多摩線(小野路〜別府)

 今年は寒さが続く。間隔が空いてしまったが南多摩線の続きを歩こう。多摩センターからバスで小野神社へ、そこから27号へ登った。
 南多摩線27号はI吊り。山の畑の裏に立っている。表側はヤブが濃くて入れないが、ぐるっと回ると根本にしっかりとした道が付いている。フェンス付きだ。
 南多摩線28号はそこから細い舗装道を少し下る。軽角度の2連耐張。ここから長径間で小野路の谷筋を越えて行く。

写真:「南多摩線28号」へリンク
南多摩線28号

 まっすぐ谷筋に降りる道もあるようだが、ここはちょっと寄り道。小野路のほうに行って牛小屋を見ながら里に下る。
 牛小屋から小野神社方向へすすむ。梅林がある。梅の花が満開だ。ぽかぽかと暖かい日差しを浴びながらコンビニおにぎりを食べる。気温は寒波のせいで寒いのだが、さすがに日差しは暖かい。腰を下ろしている草むらには、オオイヌノフグリが小さな青い花を咲かしている。小さな春、見〜つけた。
 谷から式典のようなスピーカーの音が聞こえてきた。卒業式かしらん。でももう午後だからそれはないか。学童の卒園式とかそんなものなのだろうか。

写真:「梅林で一休み」へリンク
梅林で一休み


 梅林から降りて里山交流館。小野路宿を通りの東の山へ。自動車道をしばらく歩き、斜め後ろに踏み分け道が合流。大きく溝状になった尾根道を進むと鉄塔がある。入口が柵でふさがれている。
 南多摩線29号はII吊り。木々に囲まれて立っていた。
 そこからまっすぐ降りていくと布田道に出た。「関屋の切り通し」を通り尾根の向こうへ。北斜面のグラウンドにはまだ雪が残っている。
 二つ目の谷戸の入口で谷戸へ入る。この道はフットパスのはずだ。道が悪い。ぬかるみ。う〜ん、整備されていないなぁ。右手の尾根に登るはずなのだが…。とにかく右手に田んぼを渡る。やはり道を間違えたのか、尾根の斜面のヤブを直登。尾根に登り着いたら細いがしっかりとした道がついていた。どうやら少し手前で田んぼを横切り尾根にとりつくべきだったようだ。
 何とか南多摩線30号に着く。I吊りでフェンス付き。今日はみんなフェンス付き。つまらない。
 その道を先に進み、谷筋に降りてから回れ右また元の方向へ戻る。29、30、31号と1キロくらい山道を行ったり来たり、何とも能率が悪いたどり方になっている。

写真:「南多摩線30号」へリンク
南多摩線30号


 風景が開けてくると31号が丘の畑の中に立っていた。結構な角度で曲げている。この先は鎌倉街道の谷を越えて西東京変電所の丘だ。谷の向こうに南多摩線と只見幹線が見えている。

写真:「南多摩線31号」へリンク
南多摩線31号

 ここを越えれば西東京変電所だが、その先黒川までが長い。今日はここでお終いにして別所からバスで小田急永山駅へ。駅のスーパーで買い物をして帰る。結構安かった。ラッキー!

大雪

 今日は大雪。サルと何とかは木に登るというが、私は雪が降ると外を歩きまわる癖がある。
 駒沢線沿いに三軒茶屋まで歩く。
 久々の大雪。犬のように楽しんだ。


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駒沢線57号
写真:「駒沢線56号」へリンク
駒沢線56号
写真:「駒沢線56号」へリンク
駒沢線56号

南多摩線(小山田公園から‘ならばい’谷戸へ、そして落ち穂拾い)

 多摩丘陵詣でも今日で4回連続。南多摩線をたどるのがテーマなのだが、前回まで3回は南多摩線に併架する鶴川線とそこから分岐する小山田線に費やした。
 いよいよ南多摩線を西東京変電所まで進む1回目。スタートは小田急唐木田駅にした。ここから小山田緑地内の南多摩線をたどり、“ならばい”の谷戸までが今日の経路。その後、前回までの落ち穂拾いで、小山田線3号と鶴川線30号をゲットする予定。その後はぶらぶらと小野路宿の辺りを散策するつもりだ。


 小田急唐木田駅前から尾根幹線と「よこやまの道」を横切り、向こう側の善治ヶ谷(やと)へと下りていく。前方に送電線が渡っている。左手の山に向かう道を進むと前方左右に鉄塔。右手(西)は21号、左手(東)の小山田緑地内に立つのが22号だ。

写真:「南多摩線21号」へリンク
南多摩線21号
写真:「南多摩線22号」へリンク
南多摩線22号


 右手の南多摩線21号は丘の稜線上。フェンスなしの結界はとても気持ちが良い草地。前方に谷の風景が良い。今日は風が強い、でも寒くない。気温が上がっているようだ。
 21号を詣でて、小山田緑地の22号に向かう。II吊りでフェンスなしだ。


 緑地内の道をたどるとゴルフ場を横切り狭い谷戸にでた。向かいの緑地にぐるっと迂回をして登る。南多摩線23号は緑地内の道の脇。これもII吊りでフェンスなし。22号といい23号といい緑地内なのにフェンスがないのはよいなぁ。

写真:「南多摩線23号」へリンク
南多摩線23号

 この先はどうも道がないようだ。いろいろ迷いながら24号の近くに来た。根本に近づく道がない。南多摩線24号は2連耐張で谷を越え線を延ばす。
 谷筋を渡って反対側の小さな谷戸。田んぼの中に次の南多摩線25号は立っている。田んぼの畦を横切り広い結界へ。ここからは26号へと道が続いている。

写真:「南多摩線25号」へリンク
南多摩線25号

小山田線の落ち穂拾い

 これで前回までの南多摩線とつながったので“ならばい”谷戸の入口まで戻り、自動車道を日大3高のほうに歩く。最初の落ち穂拾いは小山田線3号。道から少し入った田んぼの脇に立っていた。カモメ型の美化鉄柱。遙か高い所に立つ2号に向かって線を延ばしていた。

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小山田線3号

鶴川線の落ち穂拾い

 小山田線の落ち穂拾いもこれで終わり。次は鶴川線で見損なった30号だ。31号から大きな谷戸へと抜けた勢いで30号を飛ばしてしまったらしい。万松寺の谷戸から細い舗装路を上るとすぐ横。けっこう角度を付けて曲げている。これで鶴川線も全部ゲットですね。

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鶴川線30号


 さあぶらぶら帰りましょう。小野路宿へ行ってみたいな。日が少し延びたので暗くはならないでしょう。
 小野路宿へ歩いていると万松寺の手前で「寒いねぇ」とおばさんに声をかけられた。息子さんが万松寺の住職をしているらしい。昔の炭焼きの話、農協に勤めていた話、向ヶ丘遊園ができたときに夜空を染める光に憧れた話、減反で水田がなくなった話…などなど。
 話し好きのおばさんのおかげで多摩丘陵がいよいよ身近に感じられる。おばさんの年代は私の年代でもある。親父に連れられて「弘法の松」に登り、延々と続く丘の波を眺めた記憶。柿生の里には家々の門毎に柿が赤く染まっていた記憶。豚小屋で豚を見た記憶。
 今は東京のベッドタウンでも昔は本当に田舎だったんです。


 さすがに日が落ちると寒い。小野路里山交流館で冷えた身体を暖める。ゆっくり休んでバスで多摩センターへ向かう。今日は一杯やって帰ろう。落ち穂拾いも済んだし、まあいいでしょう。

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鶴川線29号