墨洞26号

本所変電所の扉

 またやっちゃったか!!古い地形図を見ながら嫌になった。見ていたのは数日前に買った昭和32年の地形図「三河島」


 千代田線の東に並行して走る今はなくなった送電線をたどる。やはり田端給電所に入っている。何という線だったのだろう。おまけに千代田線も荒川の手前で分岐して、荒川遊園の方向に1本線を延ばしている。線の先には「水位観測所」。この施設に送電していたのだろうか、まさか遊園地に送電していたわけではないだろうが。
 ちょと待てよ、最新の地形図にもこの線が載ってるじゃあないか。えっ今もあるのか!!


 以前隅田川を越える送電線を2本と間違って書き、5本と訂正したばかりだ。また間違っていたとは。誤植のない本はないそうで、誤植や誤記のないWebサイトもないとは思うが、訂正の訂正はちょとかこ悪い。
 う〜〜ム。


 というやむを得ない事情で今日も鉄塔めぐりに出る。
 でもまっすぐ目的地に行っても芸がない。普段はあまりやらない街中の変電所めぐりをしながら進もう。電気を地中線で受け地中線で配電する変電所。行ってもあまり面白くはないが。


 まずは江東区の大島。地図の変電所マークを頼りに歩く。東京電力の建物発見。でも表札には「江東支社」と書いてある。変電所はどこだ。建物の裏手に回ると案の定、窓がない。はい、変電所発見。
 2階に上がる外階段。鉄のドアがひとつ。ドアの横に看板がある。望遠鏡でのぞくと確かに書いてあった。「大島変電所」ゲット。


 次の変電所はすぐ見つかった。菊川の裏通り。灰色の窓なし建物。門もあれば車を止めれるスペースもある。表札には「菊川変電所」。味気のない建物だけど大島変電所みたいに隠れていないのはたいへんよろしい。


 次は両国の江戸東京博物館の真ん前。大通りに面した立派な立地。窓なしは同じだが建物の側面がレンガ貼り。東電の宣伝が大きく掲げられている。場所柄少しおしゃれにしたのだろう。名前は「本所変電所」。
 門の中を観察すると裏側は換気のためか全面すだれ状の外壁。やはり変電所は変電所らしいところがなきゃだめだ。この外壁とても好ましい。


 建物には外階段がありその上に鉄の扉。そこに「墨洞26号」というプレートを発見した。
 この「〜洞」というのは東電の地下送電系路に付けられる名前らしい。でも滅多にお目にかからない。これを収拾して整理すれば東京の地下に張りめぐらされた秘密の地下施設が浮かび上がるのだ!!
 鉄塔調査隊員はしっかりとメモをした。


 さあ両国まで来れば隅田川。後は川沿いに上るだけだが実は今日はもうひとつの目的地がある。蔵前線が地中を伝ってやってくる「蔵前変電所」を見ることだ。
 それについてはまた今度にしよう。