神ノ原から文殊峠へ

 ぐるっと大回りをしてやってきたのは「神ノ原」というすばらしい名前の開けた谷間の集落。静かできれいな集落の空を安曇幹線と黒部幹線が少し離れて渡っていく。
 安曇幹線の307が谷の上の小高い山の上にちょこんと立っている。遠くの両線には308号の姿も見える。

安曇幹線307号
安曇幹線307号
黒部幹線663号
黒部幹線663号


 黒部幹線も山の上で見た664号から谷を越えた662号まで渋い姿を見せてくれる。



 谷の北側を見ると小さな沢筋の奥に306号、そのまた奥に305号の姿がシルエットで見える。
 もう夕方。これから山に入るのは無理だろう。ひとしきり写真を撮ってからバイクで先に進んでみることにする。

黒部幹線658号
黒部幹線658号


 今いる谷の山を越えた北側、般若川の支流をバイクで遡る。狭い谷底はもう暗い。途中、黒部幹線と安曇幹線が頭上を越えた。黒部幹線は658号が姿を見せた。安曇幹線は狭い谷底からはただ線が見えるだけ。鉄塔は確認できない。
 ままよと、谷の奥に突き進む。道は林道に変わり、ついに峠へ出た。文殊峠というらしい。


 眺望がようやく良くなった。バイクを降りて谷を眺める。
 対岸の切り立った崖の上に安曇幹線305号が静かに立っている。遠くには荒れた武甲の山肌。それを背景に今日登った309号も小さく見えている。
 夜が近づく静かな峠の上、至福のフィナーレが用意されていた。

安曇幹線305
安曇幹線305号