お山の大将

 今日は山へは登らずに下界からの鉄塔観察に専念する。前回登った安曇幹線1号線206号は上野村の乙父(おっち)と乙母(おとも)地区を隔てる尾根、今は父母トンネルというトンネルがあるが、南に大きく蛇行する川沿いに旧道がある。そこをぐるっと歩いて安曇幹線2号線の鉄塔を1本1本見上げた。

安曇幹線2号線224号
安曇幹線2号線224号


 しばらく行くと地図にない道が現れた。丘の上に登っていくようだ。川から1段上るとそこは広い畑だった。畑の奥には黒部幹線の鉄塔が立っている。山の中の黒部幹線は異なって、くつろいだ雰囲気がする。
 黒部幹線に近づこうとがんばるが畑の先の586号は電柵に阻まれて断念。畑の外れにある587号の根本へ行く。そばの畑ではおじさんがコンニャクを植えている最中だった。

黒部幹線587号<br>奥は安曇幹線2号線224号
黒部幹線587号
奥は安曇幹線2号線224号


 黒部幹線は川筋のすぐ側を通るが安曇幹線1号線は山の上、なかなか良い位置には現れない。
 神流川北側、山の中腹を進む安曇幹線1号線は、いくつもの尾根を跨いでいる。尾根の上の鉄塔はとても目立つ。見通しの良い高台から狙えばまず全身を拝むことができる。
 逆に尾根と尾根の中間、低いところに立つ鉄塔は深い緑に隠されてなかなか姿を見せてくれない。

シャイな205号
シャイな205号


 頭のてっぺんだけが木の上に出ていたり、姿を現したと思うと完全な蛹点(真横)だったりと、すべての鉄塔の写真を撮ろうとすると一苦労だ。
 206号の次の205号がそんなシャイな鉄塔だった。夕暮れも近づき、今日はここまでかなと思いながら神寄という集落を歩いていた。ふと上を見ると川越しの民家の間に205号がいた。まるで集落の一員のような自然なたたずまい。いいじゃないか205号。

安曇幹線1号線205号
安曇幹線1号線205号


 振り返ると対岸の小山のてっぺんに安曇幹線2号線223号が気持ちよさそうに立っている。こちらはまさにお山の大将だ。鉄塔さん! 今日は一日いい天気だったね!

安曇幹線2号線223号
安曇幹線2号線223号


 今日は小栗沢の安いキャンプサイトに泊まる。ここは施設的にはゼロなのだが直火OK。あたりに積み上げられている枯れ枝を集めて、小さなキャンプファイア。いいですねぇ。

焚き火
焚き火