計画停電とは 6 「グループ分け」「実施が一部」である意味

 供給不足が明らかな現在では停電は必至です。それではどうしたらよいでしょうか。答えは停電以外にありません。ただし停電には大規模停電を起こさないような慎重さが必要なのです。


 今回の計画停電の目的は大規模停電の回避であることは明らかですが、その仕組みはどうなっているのでしょうか。(これについてはあくまで東電の発表を素人なりに解釈したものです)


 まずグループ分けですが、「東京」とか「神奈川」とか分かり易い範囲で設定されていません。全体を1〜5のグループに分けていますが、一つのグループは更に小さく分割され、全体の中に点在するように配置されています。


 ここが分かりづらい点の一つです。でも今までの説明を考えて見てください。「東京」とか「神奈川」など大きな単位で停電、そして停電の復旧をすると、電力系統の需要と供給のバランスにとても大きな影響を与えることは明らかです。
 このように停電グループを分散させておけば、ひとつひとつの電力系統におけるバランスの狂いは比較的小さくなる理屈ですね。


 同じグループでも停電する場所としない場所がある。これも分かりづらいと言われています。しかしグループを一度に停電させたらどうなるでしょうか。全体では一気に大規模な供給過剰が起こります。当然電力系統は破綻しますね。


 同じような疑問で、停電したりしなかったりするのは分かりづらい、との指摘もあります。
 これも今までの説明でお分かりだと思いますが、リアルタイムの需給バランスを見ながら停電とその復旧をするわけです。それを反映しない停電を引き起こせば電力系統全体に影響が起こるでしょう。発電量は調整できますが需要はコントロールできません。
 今この瞬間も中央電力制御所ではリアルタイムの需要の変化と発電所の稼働状況を見ながら、発電量の調整や停電地域の離脱と再投入を行っているわけです。


★停電も停電の復旧も小さな単位で行わないといけない
★停電はリアルタイムの需給バランスを反映しなければいけない
★需要はコントロールできないから、リアルタイムに対応しなければいけない

最後に

 この記事はあくまで電力の素人である私が、たった1冊だけの本に頼って書いたものです。理解が及んでいない点、一部には私なりの解釈で書いた部分もあります。
 当然、不正確な部分を含んでいると思われます。十分な注意を持って読んでいただくことをお願いいたします。(間違いはぜひご指摘ください)


 当初、素人が余計なことを書くと混乱が起こるといけないと思っていましたが、東京電力の方々はじめ、電力関係者の方々は現在とてもたいへんな作業に従事されておられます。
 今回の地震の銃後にいる私にも、銃後の安定が前線の少しでも役に立てばと思い、あえて書かせていただきました。私が実際に今やれることは節電くらいですから。


 最後になりましたが、今回の地震で多くの犠牲者が生まれました。地震津波そして電力関係でも発電所などで死亡が報告されています。この場を借りて深い哀悼の意を表します。
 また今この瞬間も被災され苦しんでいる方々がおられます。福島第一発電所で危険な作業を必死にこなしている方々がおられます。どうか、どうか、がんばってください。
 われわれは義援金を送ったり、節電したりしかできません。でもみなさんの姿を見守ることはやめなでいこうと思います。がんばってください。