計画停電とは 5 停電のドミノ倒し

 電力系統はひとつにつながった大きな回路ですから、末端で起こった現象は全体に影響を及ぼします。ひとつの発電所の離脱は隣の発電所の離脱を引き起こし、それが順番に伝わっていくわけです。
 これが停電のドミノ倒し、つまり大規模停電です。


 電力系統はたとえば東京電力の場合ならループ状の基幹幹線と放射線状の準基幹幹線で運用されていて、放射線状の供給線は他の供給線から電力をバックアップできるような設計になっています。
 しかし一旦大規模な停電が起こるとその復旧が困難なことは、2006年のいわゆる東京大停電(規模は小さいですが)でも変電所の復旧に1時間程度要したことでも分かります。
 2006年の東京の場合は放射線状の供給線の一つである江東線の停止が原因です。その供給線はバックアップ回路である、東京の反対側の荏田変電所からの送電で回復しました。しかし停電の間に都心への電力供給を受け持っていた品川発電所の過負荷とその離脱が全体の復旧を大幅に遅らせたといわれています。


 停電の回復は、発電量の調整だけではなく、負荷の復活によって送電線に流れる電流(潮流といいます)が過大にならないような調整など、全体のバランスを見ながらの段階を追った作業が必要になります。


★ひとつのバランスの狂いが次々に波及して大規模停電が引き起こされる