計画停電とは 4 電気が不足したり過剰だったりするとどうなる

 さて、発電量の調整がうまくいかず電気の供給と消費のバランスがくずれたらどうなるのでしょうか。
 われわれの使っている電気は交流です。富士川を境に西は60ヘルツ、東は50ヘルツの交流を使っています。
 この周波数がばらばらだと支障が起こるので、同じ電力系統、たとえば東京電力管内の発電機はすべて同期して、同じ回転数で動いているのです。同期させる仕組みがあるのだそうですが、私のような素人から見るとちょっとした神業ですね。


 電気の過不足が起こるとこの周波数が変動してしまうということです。電気が不足すると周波数が下がり、過剰だと周波数が上がります。
 周波数が上がると電灯などは問題ありませんが、モーターの回転は速くなってしまいます。下がると逆の現象が起こります。
 需要側の問題だけではなく、重要なのは供給側、つまり発電機です。発電機は周波数の変動があるとそれについて行けなくなり、ついには停まってしまいます。それを防ぐためにある一定の周波数の変動があると、自動的に発電機は電気系統から切り離されるようになっています。発電機が切り離されることを供給離脱といいます。


 電気が不足している状態で発電機が切り離されると、電気不足はいよいよ深刻になります。それを防ぐにはどうしたらよいでしょうか。その答えが停電です。
 供給がたりなければ消費のほうを少なくする、つまり足りない分は停電することになります。これを負荷離脱といいます。負荷離脱も周波数を監視することにより自動的に引き起こされます。


 供給離脱が起こるとその復旧はとても時間がかかります。ですから供給離脱が発生する前に負荷離脱=停電を起こして全体の電気系統を守らないとならないわけです。


★発電と消費のバランスが崩れると電気系統を守るために停電が自動的に起こる