安曇幹線なくなる前に 3
冬場は忙しい。鶴ヶ島や高麗川まではなかなか脚が延ばせない。仕事が一段落したらもう3月。安曇幹線の鉄塔を今のうちに撮っておかなければと出かける。まだ鉄塔は残っているだろうか。
鎌北湖へ向かう途中でJRの前久保‐武蔵境線と出会った。高麗川にかかる木橋を越えた裏道。のどかな田園風景の中にピラミッド型のとても素朴な鉄塔。安曇幹線がなくなった傷心の旅に、とても癒される風景だ。
364号が見えた
鎌北湖へ向かう。鎌北湖手前はすでに送電ケーブルが撤去されてしまい、鉄塔だけが所在なさげに立っている。371号はもう撤去されてしまったようだ。鎌北湖の北の谷に立つ365号まで直行する。
安曇幹線365号の周辺はすっかり伐採されモノレールが根元まで引かれていた。ここまでの送電線はすでに外されているが、この先には送電線が延びていた。365号の下部に3本の線がつながれ、引き留めていた。
工事現場の入り口には「鉄塔入り口 No.226 A365」と書かれている。ここも建替が予定されているのだろう。
工事の伐採のおかげで向かい側の中腹に立つ364号がすっかり見えてた。いままでは木立に隠されて見えなかったのだ。伐採は安曇幹線除去のため、うれしいやら悲しいやらとても複雑な思いがする。
鎌北湖から北向い地蔵へ向かう道筋から安曇幹線の様子をみる。鎌北湖の北側尾根に立っていた367、366号の姿がない。鉄塔も除去されてしまったようだ。370、369、368号は見えるが、これも後少しの間に姿を消すことだろう。
ここからは鉄塔が立っていたことなどまるで感じさせない。ただただ山が見えるだけ。
鉄塔が立っていたことを知っている人にとっては、鉄塔のなくなった空はとても空虚だ。鉄塔のいなくなった風景を撮ろうかと思ったが悲しくなるので止めた。
高麗川北側に延びる尾根を安曇幹線とともに進んでみた。この辺りの鉄塔には測量の形跡がないので、まだしばらくは残っていそうだ。
顔振峠から谷に降り、高麗川の対岸、子ノ権現から安曇幹線を遠望する。ここは安曇幹線の眺めが最高だ。鎌北の頭363号から高麗の架け橋、346号まで一望できる。少しガスが濃いのが残念だがパノラマを作成した。