安曇幹線 文殊峠から両神の里へ

釜の沢五峰


鉄塔札の下に道標がある。山の鉄塔ですね。

 文殊峠で一泊した。深夜、観光客かなぁ車が登って来た。峠まで夜空を見に来たのだろう。
 この文殊峠には民宿長若山荘の主人が私設で設置した天文観測所がある。峠の頂上に小さなお椀型の施設がたくさん並んでいる。星の観測に向いた場所として有名なのかな。


 今日向かう山道は「釜の沢五峰」というコースの一部。これも長若山荘の主人が自費で整備しているだそうだ。とてもよく整備されている道を利用させていただいた。ありがたいことだ。一度宿泊しなきゃいけないですね。(長若山荘 http://nagawaka.net/


 文殊峠から山道に入る。30分ほどで小さなほこらのある布沢峠を過ぎて道は東に曲がる。まっすぐ行くと302号、道沿いで303号。まずは303号まで行くことにする。
 右の谷に送電線が見えた。送電線も登っているからこの先に鉄塔があるのだろう。
 303号到着。半年ぶりの安曇幹線です。ごきげんよう文殊峠から約1時間かかった。


小鹿野鉄塔山

 少し先のピークに登ってみた。木が伐採されていて、とても良い見晴らし。
 双子山がよく見える。手前にごつごつした山がある(白石山)。そのすぐ横に50万ボルトの鉄塔。そして手前の稜線に302号。むこうに街も見える。これは鉄塔がよく似合う、すばらしい景色だ。
 50万ボルトと思われる大鉄塔が立つ山。名前がないようなので「小鹿野鉄塔山」と名付けよう。(実際は山というより白石山の東に延びる長い稜線上のピークだ)


安曇幹線302号と小鹿野鉄塔山
鉄塔山の50万ボルトは新秩父開閉所から北に延びる新岡部線と新榛名線

白石山の中腹を行く安曇幹線 後ろの双耳峰は双子山
手前の鉄塔は新秩父線


 分かれ道まで戻り302号へ向かう。フラットな良い尾根筋。ただ眺めは木の枝に遮られてあまり良くない。それでも木の間隠れに299、298、赤平川対岸の291号も垣間見れる。
 安曇幹線300号はシャイなのかな。頭しか見せないやつだ。


安曇幹線299〜297号


 302号に到着。秋ですねぇ結界はススキだらけです。


 文殊峠到着。ここで昼飯。峠を越えて伊豆沢へ下る。いよいよ赤平川が近くなった。

キリ番300号

 伊豆沢は赤平川の支流で南北にまっすぐ走る細長い谷だ。その谷を安曇幹線と黒部幹線は一跨ぎで越えていく。安曇幹線の300号は伊豆沢の西の山の上だ。
 キリ番の300号へは登っておきたい。擁壁の横から山道へ入る。短いが結構急で疲れる。


安曇幹線300号


 安曇幹線300号は木立の中だった。傾斜のある尾根の上をまたいで立っている。水の流れを排水するためか結界の区間には土管が埋められている。
 ここで記念写真。これで心置きなく200番台に突入だ。


両神の里へ

 伊豆沢を下ると赤平川へ出た。秩父小鹿野の間の何本かの尾根を越えて、いよいよ志賀坂峠への道筋にでた。大きな流れに沿って進むととても開けた土地が広がっている。山と山に挟まれたなだらかな丘陵だ。
 ここは旧両神村。有名なゴツゴツ岩の両神山の麓に開けた土地だ。地図を見ると川の名前は小森川、赤平川の本流は川幅が狭くて分からないうちに越してきたようだ。


黒部幹線 (手前から)643、634、645号(手前から)


 この山里に黒部幹線も安曇幹線も山から下りてくる。南には秩父を越えて新秩父線もこの里を通り抜ける。


 まず目に飛び込んでくるのは上下振り分けの鉄塔。黒部幹線の644号だ。両神変電所に電気を分岐している。腕金の間にはブロッキングコイルのようなものも見える。


 黒部幹線は643号から一気に広い谷を越え対岸の山の上まで行っている。

 我らが安曇幹線は、山の一番上が297号、中段に296号。谷に降りてきた送電線は小森川を渡り、295号は平地に立っている。そこから対岸の山へと結んでいる。


 天気が悪いせいか暗くなるのが早い。早めに切り上げ秩父まで買い出しに出る。ガスコンロのボンベが残り少ないのだ。今日は秩父さくら湖のどこかでテントを張ろう。