丘の端に立つ老鉄塔
街が切れ始め一段低い平地に下る辺り、白く光る真新しい鉄塔と赤く錆びた古い鉄塔が現れた。
真新しい鉄塔は川尻線11号。平成H21年6月だから今年に入って建てられた鉄塔だ。道路を作ったために建て直したのだろう。鉄骨はピカピカ輝いて、結界も根巻きも真っ白なコンクリだ。
隣に八ツ沢線100号。対照的に古い錆び錆び鉄塔だ。周りはすっかり背の高い草で覆われていて入るのはためらわれる。でも鉄塔札を確認したい。草をかき分け蛇に気をつけながら接近した。
昭和32年月、22メートル。
近くで見る鉄塔は細い鉄骨にコケは生えているわ、下地の赤がむき出しになっているわでさんざん。
でも姿は美しい。1連の耐張。ジャミラでおまけに腕金に補強材1本もなし。とても小さくシンプルな鉄塔だ。
100号は丘の端の荒れ地の中に立っている。その背景に青く低い山がかすんでいた。
ところで昭和32年で22メートルは橋本変電所に立つ109号と同じだ。昭和48年の記載がある108号や106号は25メートルと26メートル。形を比較すると下部はほぼ同型、上部の垂直部分だけが長い。108号や106号はやはりかさ上げした鉄塔なのだろうか。
次の99号は道路を越えて撚架鉄塔になっている。これまた古い。鉄骨は黒くくすみ苔むしている。そして隣には対照的に真新しい川尻線12号。