南大沢の大迂回

由木線16-3号
由木線16-3号


 昨日の夜は遅くまで本を読んでいたので今日は少し遅く出てきた。もう11時半だ。まる一日分のスケジュールを立てていたのだが…ちょっと無理かな。


 南大沢駅を越えた16号と思われる鉄塔に向かう。団地の奥の緑地の中に次の鉄塔が立っているようだ。清水入(しみずいり)緑地という緑地だ。木々の葉を透かして鉄塔の根元が見えたが、何とそこはバードサンクチュアリの中。
  「野鳥の森入らないでね」
参りました。


 仕方がないので下の道に出て遠望する。塔頂票を見ると何と「16-3」! 「の1鉄塔」ではないか。それも「3」とは! やれやれ道は遠い。
 丘の頂上にもう1本、「16-2」も見える。やはり上3段余らしの鉄塔だ。


由木線16-1号
由木線16-1号

 次の16-1号鉄塔は丘を下っているようだ。これは足元に行けるだろう。近づくと緑地内の丘の下。ゆるい斜面に片継ぎ脚で立っていた。
 今日は周り始めののっけから躓いてしまった。16-1号の根元はあきらめるとして、16-2号は未調査だ。16-2は帰り道に寄ることにして先に進むことにする。


 今日の調査部分は由木線が南大沢の団地群を大きく迂回する部分になる。この迂回部分を先に全部歩くことにした。たぶんあと鉄塔5本分だ。


由木線16号
由木線16号


 由木線16号は向かいの丘に立つ重角度鉄塔。逆光で黒々と力強く立っている。いかにも重角度といった感じ。周りは藪がひどく根元はあきらめた。鋼材も太そうで近くで見てみたいものだが残念。


由木線15号
由木線15号

 次の15号は丘の上。どうも緑地になっているようだ。鋼材は太くかっこよい。
 そこからぐーんと長径間で14号へ。東京都水道局の給水場の上空をゆうゆうと越えていく。


 次の由木線14号も13号も、住宅地に接する緑地の中に立っている。どうやら公園のようなのだが入り口が見あたらない。藪の薄いところから根元に行く。
 一体この公園は何処に入り口があるのだろう。それでなくともやたらに暑い。13号の根元の木陰で一休み。


由木線12-2号
由木線12-2号

 次の鉄塔は12号か? あれが由木線の大迂回の最後の鉄塔だ。重角度で鋼管鉄塔。やはり上3段余らし。ここ2本は鋼材も細めの鉄塔だったが、迂回の最後はごつい鋼管鉄塔。木陰で鋭気を溜めて進む。


 小山内裏公園(おやまだいりこうえん)という公園の中に立っているらしい。公園の中の草地を上り根元に。「由木線12-2」!! またまた「の1鉄塔」。それも「の2」。「の1鉄塔」だらけです。この大迂回は後からの経路変更なのだろう。枝番だらけなのもそのために違いない。


 12-2鉄塔は高さはたった40メートル。でも太っとい鋼管で作っている。頑丈な重角度鉄塔。ごついですねぇ。重量感がいい。酸化皮膜というのも渋くて良い。

由木線12-1号
由木線12-1号

 道路を挟んですぐ隣にとんがり帽子の鉄塔。腕金が少しおかしい。撚架鉄塔か? 上部垂直。古そうな風貌だ。これは楽しみ。


 ちょっと待て。とんがり帽子?! とんがり帽子になっちゃった。ここまでずっとコックさんで2条の架空地線。ここからは1条になってしまった。いよいよ不思議、楽しみ!


 一旦バイクまで戻ろうと切り通しを歩いた。
 この緑地は多摩丘陵最後の尾根。つまり都県境だ! やあ、いよいよ神奈川県、相模原じゃないか。
 前方に行政区界を示す看板が見えた。何!? 町田市?? 相模原市ではない。地図をもう一度確認すると。もっと先、平坦になったところの川が都県境であるようだ。
 「の1鉄塔」といい、この看板といい、いらいらするほど焦らしてくれじゃぁないか。

尾根緑道から見た由木線14号
尾根緑道から見た由木線14号


 バイクで戻るルートを探し公園を少し進むと広い尾根道に出た。
 「尾根緑道」というらしい。かつて陸軍の戦車の試験用の道を緑道に利用している。15号から13号の3本は「尾根緑道」の際に立っていたのだ。
 そうとは知らぬ私はその外側から何で根元に行けないんだろうとかブツブツ言っていた訳なのだった。


 「尾根緑道」―とても気持ちの良い道です。鉄塔も時々姿を現してとてもいい。
 緑道をぶらぶら歩いて出発地の清水入緑地。飛ばしてきた由木線16-2号の根元に無事着いた。