鶴川線(鶴川変電所から野津田公園まで)

 昨日に引き続き今日も多摩丘陵を散策する。今日は鶴川変電所から南多摩線方向を目指す。線名は鶴川線だ。

 小田急の鶴川からバスで綾部バス停で降りる。この辺り京浜線や佐久間東幹線が通り、鉄塔銀座状態だ。
 鶴川変電所は街道沿いにある露天の変電所。奥に鉄塔が1基。小さな鶴川線43号鉄塔が立っている。

写真:「鶴川変電所 奥に立つのが鶴川線43号」へリンク
鶴川変電所 奥に立つのが鶴川線43号


 ここから鶴川線をたどる。次は42号。変電所から来た送電線を丘の上に曲げている。丘の上に登ると畑の隅に41号、フェンスなしのV吊り。ちょっとのどかな雰囲気になって来た。

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鶴川線41号


 丘を登りきると西東京変電所方面に鉄塔がたくさん並んで立っているのが見える。次の40号はぐるっと住宅街を回り道。
 これもV吊りで駐車場の中に立っている。この先で送電線はまた谷に下りる。送電線の先を眺めると、広い畑の中で3つの送電路が交差している。これはワクワクする。

写真:「鶴川線、京浜線3・4号線、東佐久間幹線の交差点。手前から奥へ京浜線3・4号線1053、1054号、線下の小さな鉄塔が鶴川線39号、奥に東佐久間幹線446号」へリンク
鶴川線、京浜線3・4号線、東佐久間幹線の交差点。手前から奥へ京浜線3・4号線1053、1054号、線下の小さな鉄塔が鶴川線39号、奥に東佐久間幹線446号


 最初に交差するのは京浜線3・4号線、そして佐久間東幹線との交差だ。京浜線の赤白鉄塔(1054号)がとても高い。丘の上には黄色い帽子の佐久間東幹線(447号)も青空にすくっと立ち素敵な姿を見せている。

 京浜線3・4号線1053号鉄塔の横で線を潜らせている小さな鉄塔が鶴川線の39号。フェンスなしの20.4メートルしかない鉄塔だ。隣の京浜線3・4号線1053号は72メートルの立派な鉄塔。2連耐張で碍子は22個、2導体。塔長が3倍以上違う鉄塔の対比が面白い。

写真:「鶴川線 39号」へリンク
鶴川線39号


 この鉄塔も背が高いが次の赤白鉄塔はもっと背が高そうだ。谷底に立ちぐーんと送電線を空に上げている。隣を並行して佐久間東幹線が進み丘に登っていく。京浜線はさらに上を進み交差しているのだ。これは高さを確認しなきゃ。寄り道をして谷底に下りる。
 京浜線3・4号線1054号は川崎街道沿いの建築資材置き場のようなところに立っていた。巨大な赤白鋼管鉄塔。高さは138メートル! これは私の見た鉄塔の中では最高だ(いままでは北総線7号の135メートルが最高)。立派です。

写真:「京浜線3・4号線 1054号 奥に1056号、丘の上は佐久間東幹線447号」へリンク
京浜線3・4号線 1054号 奥に1056号、丘の上は佐久間東幹線447号
写真:「京浜線3・4号線1054号の鉄塔札」へリンク
京浜線3・4号線1054号の鉄塔札


 少し腹が減った。道は立派だがコンビニもファミレスも見当たらない。これも多摩丘陵のど真ん中ではよくあることだ。しかたがないので先に進む。元の畑に戻り鶴川線を再びたどる。
 少し先、小さな畑の中に立つ小さな鉄塔。これが38号だ。フェンスなし。夕暮れの日だまりの中に静かに佇んでいた。高さは23.4メートルだ。
 いい雰囲気なので道ばたのビール箱に座ってゆっくり眺める。

写真:「鶴川線38号 奥は京浜線3・4号線1053号」へリンク
鶴川線38号 奥は京浜線3・4号線1053号


 座っていると近くの自動車修理工場の人が声をかけてきた。鉄塔の話をしばらくする。するとこの先、畑を伝って出られると教えてくれた。親切だ。
 次は佐久間東幹線との交差。佐久間東幹線は446号。電源開発の鉄塔だが碍子は白を使っている。同じ西東京変電所に入る只見幹線は茶色碍子なので、電源開発は碍子が茶色とばかり思っていたが、違うのかなぁ。
 佐久間東幹線の隣に鶴川線37号。これは21.9メートルとやはり低い鉄塔だ。果樹園かな、開かれた土地に立っている。これもフェンスなし。
 鶴川線は3本続けてフェンスなしの20メートルそこそこの鉄塔。何とものどかだ。


 畑を抜けると道に出た。野津田公園の入口がある。送電線は公園の中に吸い込まれている。
 鶴川線36号は野津田公園の中、薄暗い林の中に立つ。フェンス付きになった。送電線の方向に進むと35号。公園の広場の奥に立っていた。もう時間が遅く鉄塔の根本は暗くなっていたが残照が碍子をオレンジ色に染めている。
 35号からはすぐに公園北口駐車場へ出た。今日はここでお終い。坂を下ってバス停。ちょうどバスが来たので鶴川に戻った。
 巨大な鉄塔と20メートルそこそこの鉄塔。両極を楽しめた鉄塔散歩だった。

写真:「鶴川線35号」へリンク
鶴川線35号