変電所巡りと都南線・南武変電所
今日は都南線の多摩川から川崎側を久しぶりに歩く。到着した南武変電所周辺の鉄塔たちも鑑賞。都南線川崎側と南武変電所、短いが楽しめる区間だ。。
用賀変電所
都南線への行きがけに東急の桜新町変電所と用賀変電所をチェック。桜新町変電所(東急)は桜新町の通り沿いにある。えんじ色の窓なしコンクリ建物。上部にガラリがある。鉄道系の変電所らしい良い建物だ。
用賀変電所はコンクリート製の建物。オイルクーラと遮断器が屋外にあるが、パネルに囲まれており見えない。住宅地の中の屋内型変電所。窓なしのコンクリの大きな四角い箱! 変電所らしくてとても良い感じだ。
消されてしまった“でんこちゃん”
都南線を多摩川際の13号から順に歩く。工場地帯を渡っていく送電線。露天のシンプルな下野毛変電所を過ぎると、神社の横に9号が立つ。
都南線の特色のひとつは看板。鉄塔番号が書かれた板が、普通のタイプ―鉄塔に取り付けた板ではなく、地上から立ち上がる大きな看板であることが多い。そして都南線の看板には“でんこちゃん”が書かれていた。
東京電力のマスコットキャラが“ピカちゃん”から“でんこちゃん”になったのは1987年というから、そうとう古い。古いがテレビのコマーシャルや電力館のパンフレットくらいにしか登場せず、「あぶない」看板は“オウム”と相場が決まっていた。使用料の問題があったのだろうか。
だから鉄塔にでんこちゃんというのは珍しい。でも今回のごたごたで“でんこちゃん”の使用は止めたらしい。理由はコスト削減なのだそうだ。
で、問題の鉄塔看板の“でんこちゃん”なのだが、何ときれいに消されていた。うーん。全社謹慎モードにそぐわないのかなぁ。複雑。
私のテリトリーだと3.11以来、上野ダムの地下発電所見学も中止になった。おかげで上野村も寂しくなった。地元の人も雇われていたのだが、東電PRという会社そのものもなくなったらしい。気になるのは川崎の「電気の史料館」「電気の文書館」。臨時休館が続いているが再開できるのか。電気の重要性がクローズアップされ、正しい知識が必要とされている時期だけに残念なことが多い。
「そう、省エネを啓蒙するキャラクターですからね。私がこんなことをいうのも何ですが、東電さんには、“もしでんこが必要ならタダでも描くのでいってください”と早々にメールしていたんです。ただ、それは単純に私の気持ちであって、こういう時期に暢気な漫画の絵で嫌な気持ちになる方がいる以上は、出すべきではないと思います」
『「でんこちゃん」リストラ 作者・内田春菊氏は知らなかった』
憩いの結界テラス
都南線の鉄塔は通常の四角鉄塔だが、敷地の囲いが特別だ。よくある緑色の網フェンスではなく低い柵で囲われている。結界もレンガが敷き詰められていることが多い。柵が低いので昇塔防止の“すのこ”は全面に展開している。
都南線7号はその柵もなく、レンガ敷きの結界がアパートの人たちの憩いの場になっていた。このベンチに座ってビールを飲みたいなぁ。これ最高!
2本脚鉄柱
多摩川の工場が多い地区から畑まじりの住宅街を抜けて武蔵新城。ここでJRの南武線を越える。そこに都南線唯一の美化鉄柱5-1号が立っている。唯一というだけではない、2本脚鉄柱だ。
南武線の高架に接するように立って、送電線を高架の上空高く持ち上げている。鉄塔札は「昭和57年7月 44M」。武蔵新城の駅が高架になったのは1990(昭和65)年ということだから、高架工事に先がけて新設されたものだろう。「5-1」という枝番は追加で新設された証だ。
でも2本脚って珍しい。その珍しさの理由は敷地の問題ではないだろうか。
高架に沿って道がある。道と高架の間の隙間は2メートル弱だろうか。そこに通常の鉄塔はもちろん建たない。1本脚の美化鉄柱でも結構太いから、やはり道にはみ出しそうだ。2本脚なら鋼管を細くできる。横から見るとたしかにうまく、道路との間に収まっている。なるほどね。