戸田線は荒川を越えて
和光市駅、朝霞駅周辺の鉄塔調査はこれで切り上げ、戸田線(JR)にもどる。東上線北側70号からスタート。
戸田線(JR)は住宅と畑が混在する丘をゆるく上り下りしながら進む。70、71、72とマーメイド型の大正15年鉄塔が登場する。
丘の縁に来た。遠く幸魂大橋付近の鉄塔が遠望される。いよいよ荒川が近い。
丘を下るとそこはお寺がたくさんある古い街だった。戸田線(JR)もお寺の参道や駐車場に立っている。
街を抜けると畑が広がる。荒川まで続く広い畑だ。ところどころ畑がつぶされて建物や建機置き場、産業廃棄物の処理場などが点在する。
そんな畑の中に戸田線マーメイドが2本続く。そして前方を巨大な鉄塔で構成された東電の戸田線が横切って行く。堤防近く東電とJRのふたつの戸田線がクロスする。
東電の戸田線6号は灰色に塗られた巨大な鋼管鉄塔。志木線を併架し4回線、高さは77メートルもある。
私のたどるJRの戸田線81号は小さい。高さは東電の3分の1程度だから25メートルくらいだろう。
81号に近寄る。たしかに小さい。戸田線(JR)の他の鉄塔と比べても特段に小さい。しかし小さいながらも鉄骨は特別に太い。頑丈そうなチビ。「大正15年5月」の鉄塔札を付けた、誇り高き鉄塔なのだ。
送電線は新河岸川を越えて荒川の河原へと進む。河原には荒川越えの82号が背を高く伸ばし、送電線を向こう岸へと渡している。対岸には83号だろうか。同じような形をした鉄塔が送電線を受け取る。
82号は東電のお立ち台より縦長のスーパーお立ち台にちょこんと立っている。いかにも鉄塔を台の上に載せました、という唐突な感じだ。こんなお立ち台も悪くないね。
これで戸田線(JR)を辿って武蔵境から荒川まで来たことになる。1号から82号まで、途中枝番が2基(16-1、16-2)あり、飛び番が3基(7、66、69)ある。差し引き81基の鉄塔を見てきたわけだ。