大平戸山

 久しぶりに安曇幹線へ行ってきました。

大平戸山と安曇幹線1号線 頂上が214号、中腹は215号
2010年5月 埼玉県側の双子山から撮影

 関越、上信越自動車道と乗り継ぎ、下仁田インターから下仁田経由で上野村。やはり片道3時間以上はかかりますね。
 着いたのが昼前だったので今日は大平戸山の鉄塔めぐりだけにする。


 大平戸山は群馬県旧中里村(現・神流町)と上野村の境にある標高1000メートル足らずの山。
 志賀坂峠を越え、何本かの尾根を跨いでやってきた。ここを越えるとようやく神流川に出る。神流川を遡れば十石峠を越えていよいよ信州に入る。


 大平戸山は道が発達しているのでとても楽だ。林道かと思いきや「村道野栗峠」という小さな板の看板が立っている。

黒部幹線599

黒部幹線599の鉄塔札

 黒部幹線599号は村道脇。下に野栗から勝山、新羽という上野村の集落がよく見渡せる。長径間で谷の下の方まで送電線を下ろしている。主柱が200ミリ角の太い山型鋼。黒々とした地肌が力強い。


 この辺りの黒部幹線には驚くほどの長径間が多い。驚くといっても昭和初年に立った黒部幹線ではということなのだが、明家の602から野栗峠の601までは650メートル、村道野栗峠の599から野栗の谷筋598までは500メートルほどある。少し老番側では長又のほうから赤平川へ降りてくる641〜640の間が600メートルだ。
 こういった長径間を支える鉄塔は通常の鉄塔より太い鋼材を使っている。599号は200ミリ角で15ミリ厚。隣の明家の602号、赤平川の640号も同じ200ミリ角15ミリ厚だった。ちなみに通常の黒部幹線は125ミリ角、10ミリ厚程度の鋼材が使用されている。



安曇幹線1号線 214からの眺め

 村道脇に巡視路標識を発見、安曇幹線1号線214へ登り始める。すぐに地形図にはない林道。もしかしらたバイクでここまで入れるかも知れない。林道を少したどると頭上に214号が現れた。


 安曇幹線1号線214は小さな尾根の上野村側に片継ぎ脚で立っていた。下の脚はコンクリの擁壁で固められているが、とても急斜面。斜面がとても荒れている。でもおかげで鉄塔からの眺めは最高だ。


 真下には上野村の道の駅がある勝山と新羽。高反山の中腹を1号線が延びていく。そして遙か彼方に十石峠を越える1号線まで見える。西群馬幹線が十石峠の県境稜線を渡っていく。ガスってなければすごい風景だろうに、残念なことに今日はどんよりとした天気。また来ることになるかも知れない。

上野村を進む安曇幹線1号線
十石峠を越えやってくる安曇幹線1号線 稜線には西群馬幹線
真下には模型のような213号

 老番側はちょっと木が邪魔だけど、1号線志賀坂峠越えの次の鉄塔222号からずらーっと送電路が見渡せる。


 帰り道は同じ大平戸山にある安曇幹線2号線の233号に寄った。こちらは村道脇ですぐに根本に登れる。


 下りてきたらもう夕暮れ。対岸に黒部幹線602号、2号線234号が静かに立っていた。まだ色づきには早いが秋らしい静かに暮れていく風景だった。