駒沢線52号の建てかえ工事

 ぶらりと散歩をしていたら駒沢線の52号が建てかえ中だった。


駒沢線52号の建てかえ工事 左が仮鉄塔、右が旧鉄塔。現在は仮鉄塔への線の移設の最中のようだ。碍子はまだ取り付けられていない。

駒沢線は銅線を使っている珍しい送電路。だから古い送電線は緑色に見える。新しい線はまだ銅の色。とてもきれいだ。

52号仮鉄塔 仮鉄塔は地中に基礎を作るのではなく、重い鋼材を基礎代わりにしているようだ。


 駒沢線の鉄塔は何種類かに大別できるが、この52号から3本、52、53、54号は駒沢線としてはめずらしいジャミラ型が3本続いていた。ジャミラといっても背丈は27〜31メートルと前後の駒沢線よりのっぽで、建設年は昭和48年3月。戦後立て直された鉄塔と思われるが、雰囲気はとてもレトロな鉄塔だった。


 52号は駐車場に立っていて、駒沢線では珍しく結界に入れる鉄塔で、小さな結界に潜り込むのが好きだったのだが。たぶん新鉄塔はフェンス付きになるのではないだろうか。


 駒沢線はこの52号から北に代田線という2万ボルトの送電線を併架していて、52号はその併架の最初の鉄塔だった。
 代田線は道路を隔てた向かい側にある、代田線唯一の単独鉄構―1号に地中からたちあがっていたが、その代田線の鉄構も撤去されるらしい。すでに地中線などはなく、鉄構だけが残っている。


 おまけに世田谷線を越えた所に立つ51号も撤去され、50号から直接送電線が送られてくるらしい。50号はすでに美化鉄柱に立て直されている。
 51号も根元には近寄れないが、とても古そうなよい鉄塔だった。農家の面影が残る民家の中に木々に囲まれ立っていて、昔の駒沢線の風情を今に残していた。


  →建替えられた50号49号(2008/1/13の日記)
  →往時の雰囲気(2008/1/13の日記)


 現場にある工事内容の説明によると、工事は
仮鉄塔建設→旧鉄塔から送電線を移線→旧鉄塔撤去→新鉄塔建設→新鉄塔に送電線を移線
という手順で進むらしい。
 高さは31メートルから39メートルになるようだ。
 新鉄塔が完成するのが5月中旬、仮鉄塔の解体は6月一杯の予定になっている。




 地味で男らしい、好きな鉄塔だった。かつての駒沢線52号と代田線1号の写真を集めてみた。


駒沢線52号(2008/3撮影)
代田線1号の裏には世田谷線(2005/2撮影)
代田線1号(2008/3撮影 この時点で地中線はすでに外されていた)
番号看板(2005/2撮影)
鉄塔札(2005/2撮影)
52号は駐車場の中に立っている 古い手押しポンプが横にあった(2008/2撮影)
52号の結界写真 内側まで囲んだ昇塔防止の格子が面白い(2008/2撮影)
52号の結界 砂利引きだ(2008/2撮影)
52号の鉄骨 何層にも重ね塗られた塗料はすでにぼろぼろだ(2005/2撮影)
52号のボルト(2005/2撮影)
周囲は細い路地が複雑に走る住宅街だ(2005/2撮影)