府中変電所

久我山線3号

2008/06/21の3)
 西に向きをかえた送電線は広いグランドの端を通り抜ける。グランドの端に立つ3号これもスマートのっぽ鉄塔だ。フェンスに阻まれて根元には近づけない。反対側のフェンス越しに眺めると足元まですっかり見える。本当にスマートな鉄塔だ。フェンスが邪魔だなぁ。



 次の2号は昭和44年製の古いタイプ。畑の中、結界は草ぼうぼうだ。そしてその先に府中変電所があった。


久我山線1号 久我山線の1号鉄塔は変電所の角に立っている。一見、片側だけ腕を伸ばしているように見える。片ドラキュラ? と近づいて見ると塀に沿ってL字型に腕金を延ばしていた。変電所の建物と塀の間の隙間でうまく送電線を下ろしている。しかし何ともせせこましいじゃないか。



府中線61号 変電所には反対側から2系統送電線がやってくるようだ。確かめに行く。典型的ドラキュラで送電線を下ろすのは府中線。
 府中線とは何年ぶりの再会になるのか、多摩川の向こう側で桜ヶ丘線や只見幹線と交わっていた地味な鉄塔だ。最終61号鉄塔は一番上の腕金が羽のように広がりなかなか見事だ。


 さて府中線と一緒にやってくるのは何線だろうか。変電所の中に風変わりな美化鉄柱。そして近接して小さな四角鉄塔がある。「高木線」? どこかで聞いたことがあるような…。そうだ多摩変電所から国分寺線併架して出発している線路じゃないか。


 それにしても高木線のこの2本、とても対照的だ。48号は小さな四角鉄塔。チビだが引留鉄塔になっているらしく頑丈な造り。いぶし銀の風情がある。
高木線48号




 それに対して最終の美化鉄柱。ひと目見て唖然、呆然、ことばが出ない。
 美化鉄柱というのは味気ないほどスマートというのが普通だが、高木線49号は何とも異様。
 まずツートンカラーだ。腕金が色分けされている。青とクリームという配色も不思議。おまけにペンキが剥げかかっているとは…。
高木線49号
 装柱も変わっている。ケーブルヘッドが斜めに飛び出している。腕金の先端についているのは避雷器だろうか。それも含めてケーブルの取り回しは優雅といってよいだろう。
 でも全体的にはどこか俗悪な感じを受ける。場末のキャバレーの女給といっては失礼だろうが…。まっ、ちょっと化粧しすぎの鉄塔といっておこう。


 「府中変電所」小さな変電所だ。たぶん無人変電所だろう。でも「府中」の名前は大正期の送電系統図にも出てくる由緒ある名前だ。こことは別に府中変電所があったのか? それとも隣のグランドなども含めてとても大きな変電所が縮小されたのか。
 古い建屋。ブーンという音。4本の個性的な鉄塔。小さいながら味のある変電所だ。
2008/06/21終わり)