32号の秘密

川世線32号

2007/12/15の2)
 この辺りの川世線で一番お気に入りは32号のジャミラ。成城の丘を下り玉堤通りを越えてやってきた送電線を多摩川に向かって曲げる角度鉄塔。高さは35mと小さく、足をきりりと踏ん張って送電線を曲げるさまがとても立派だ。鉄塔札には昭和55年と記されているが風貌からしてもっと古い鉄塔に違いないと思っている。


 この鉄塔には秘密がある。下段に併架されている千南線の腕金をよく見ると、角度外側の腕金上辺は黒い絶縁テープのようなもので巻かれている。ジャンパー線と腕金の距離が短すぎるための対策だろうか?
腕金に巻かれたテープ

 角度鉄塔の角度外側の腕金は、長い腕金にするかもしくは四角い腕金にするなどの設計が普通だ。この鉄塔はどうみても普通の鉄塔として設計されたものを無理やり角度で使用しているとしか考えられない。それで絶縁テープの登場なのだろうか。
川世線32号(千南線)の碍子


 32号の隠された過去は不明。でも細かい詮索など不要だ。角度をこなす碍子たちが冬の光にリズミカルに輝いてとてもきれいじゃないか。
続く