佐久側の巡視道(峠をこえる烏帽子たち 12)

遠慮がちな巡視路道標

2007/5/4の2)
 峠の安曇幹線1号線のそばに巡視路道標があった。東電の巡視路道標は黄色い等辺山型鋼に「〜線〜号に至る 山火事注意」とばかり思っていたが、テリトリーの外では少し遠慮があるのか小さな道標だ。記載も「1L 74 2L 85」と矢印だけ。まあこれで十分目的は果たしている。
 ということで佐久側に少し戻ってみることにする。


 最初はやたら急に下る。帰りが思いやられるがここは「根性!!」なのである。
 1号線74号はゆるやかな斜面に片継脚で立っている。茶色く塗られた耐張のとんがり帽子烏帽子。2号線85号への道標と次の1号線へ下る道とが分かれる。ここは2号線も見ておこう。少し横に登り返して2号線85号は急な斜面に片継脚だ。こちらは耳折れネコの懸垂型だ。
 巡視路をなお下る。電線からブーンって音が聞こえる。どちらかというとバチバチに近いかな。
 2号線86号へ行く道は林の中。落ち葉で道が覆われ赤いリボンだけが目印だ。


 2号線86号はやはり茶色に塗られた耐張のとんがり帽子烏帽子。芽吹き始めた唐松の風通しの良い山道。気持ちが晴れ晴れとする。鉄塔下も熊笹と芝が混じりあい自然で良い感じだ。
安曇幹線1号線75号への道

 次いで1号線75は耐張とんがり帽子。1号線は耐張が続く。まてよこの巡視路1号線と2号線を交互に巡っている。これは回遊式庭園ならぬ回遊式巡視路だ。とても都合が良い。
 1号線75号鉄塔まで下ると谷が深くなる。道は続いているのだがあまり下ると登りがつらい。時間の都合もあるので戻ることにする。たった2本だがなんだかんだとけっこう下った。峠までは標高差で150mほど、見上げる角度も高くなっている。


 谷の手前なので眺めが良い。向かいの山の頂上に佐久幹線の赤白大鉄塔が見える。谷底から3ステップで送電線が登っている。長径間のカテリナー曲線が見事だ。
和田峠から佐久方向の佐久幹線

続く