上野から隅田川
仕事で都心にでる度に帰り道はいそいそと秘密めかして回り道。都内の変電所めぐり。
50万ボルトの新豊洲変電所ができる前は都心の変電所の最大電圧は27万5千ボルト。
都心の電力を支える拠点というべき27万5千ボルト地下変電所。10にも満たない拠点のひとつが上野変電所だ。
この上野変電所には私が送電線の砦と呼んでいる北葛飾変電所――亀戸線や小松川線、潮止線の出発点――から上野線という名前の地下送電路を通って送電ケーブルがやってきているようだ。
別に隠しているわけでもあるまいが、地下変電所はどうも見つからない。ぜったいにここだと確信しても表札が出ていなかったりする。今回もあまり期待せずに4号線を北へ向う。
当りをつけていたのは東電の上野支社。とても大きな建物だ。どうせ表札はないよなと期待もせずに建物を回る。
おっと、いとも簡単に275KV上野変電所が見つかった。簡単なごくそっけない扉。その先に巨大な施設があるとはとても思われない。
でもあるのだ。ビルの横に換気孔と思われる建物、裏に回れば大きな機材も搬入できそうな駐車場。
この上野支社のすぐ裏手は樋口一葉ゆかりの千束神社なのだが、一葉を最後までちゃんと読んだことがないのでよく分からない。一葉と送電線はあまり関係はないだろうな。
家に向って走る。ついでに隅田川沿い地形図の変電所マークをチェック。隅田公園近く。
名前は橋場変電所だった。橋場は辺りの地名。隅田川の堤防際にある、たぶん無人と思われる変電所だ。
変電所は道路から奥まったところにある。変電所までは何にも使われず人も通らない道。さりげない秘密の基地だ。