雨の日は…

川世線18号

 もう梅雨なのか、土日とも雨だそうだ。雨の日はゆっくりするに限る。晴耕雨読だ。でも土日とも雨読ではちと飽きる。


 雨の日の散歩はどこがいい。林がいい、とても濃い木の香。草原がよい、雨粒をたっぷり宿した草。畑が良い、黒く湿る土。田んぼがよい、田にそそぐ水音。
 どれも都会に求めてもない。都会で雨の日の散歩は川が良い。両岸がコンクリートで固められても、流れる水は自然のもの。雨を集めて川が出来る。だから雨の日は川へ行こう。

川世線21号〜老番側

 川辺の鉄塔なら北堀線がお気に入りだが、今回は川世線の川崎側に決めた。路線名に「川」があるからではない、川世線をたどって多摩川に出ようという計画だ。


 溝口で電車を降りる。ビルの陰から赤白鉄塔が見える。鉄塔めぐりは地図いらずだ。
 坂道を登ると赤白鉄塔が空き地の向こうに立っている。根元に行こうと草ぼうぼうの空き地を横断。ズボンがずぶ濡れになったら神社の石段に出た。何だ道があったのか。やれやれ。
 丘の中腹に立つ18号から多摩川へ向かう鉄塔たちが良く見える。川崎側の川世線は最近、全面的に建て直されたらしい。この鉄塔も平成製だ。

川世線20号〜若番側

 次の鉄塔は南武線を越え街道を越えたところ。平瀬川という1級河川沿いに立っている。送電路はそこから丘を登って行く。
 送電路を目で追うととても奇妙な景色が見えてきた。川が丘に向かって流れ、何とトンネルになって丘の中に吸い込まれている。川のトンネル!? これって珍しくないだろうか。大きな丘の中に吸い込まれる川の横を送電線は登っていく。


 丘を鉄塔をたどりながら登る。庭付きの広い敷地を持った高級住宅が並ぶ。津田山というらしい。川崎市は南半分は工場地帯、北半分は住宅地。溝口がその境目だ。先日大師線の辺りをたどったばかり。同じ市とは思えない風景。
 鉄塔は比較的狭い間隔で立ち3本目で頂上につく。この鉄塔は分岐鉄塔。上段の川世線と下段に併架している千南線は多摩川を渡る区間だけは別々のルートとなる。


続く