段違い鉄塔

花総線70号

5月21日の日記の続き)
 今日はひさしぶりに花総線の市川の最終鉄塔あたりをぶらついた。下総変電所を見ようと出かけてきた。

 花総線の市川区間は江戸川沿いに進む。JRの総武線西船橋から小岩まで左側の車窓に見えるのが花総線だ。川沿いの工場と千葉街道沿いの住宅や商店、その境目が花総線のルートだ。最近は工場が少なくなりマンションなどが多く建つようになった。


 花総線の若番側、常磐線の北側は美化鉄柱のオンパレード、でも市川区間では珍しい。今日は美化鉄柱の70号からスタート。高さは64メートル。とてものっぽだ。60メートルを超えると赤白に塗ったり、航空障害塔を設置しなければいけないはずだが、赤白の美化鉄柱は見たことない。この鉄塔もクリーム色、夜になると頂上に赤いランプが付くのかなぁ。見てみたい。


花総線72号、奥が本中山変電所内に立つ73号、寿湯の煙突も見える
 すぐに本中山変電所。下段に併架してきた市川線はここで地下にもぐる。ここから先は2回線鉄塔だ。
 変電所の横に寿湯という銭湯がある。銭湯の周りを木造のアパートが8軒ほど囲み、路地を通りに抜けるとコンビニ。そして鉄塔が2本。
 映画のロケにでも使われないかと思うほどマッチした取り合わせ。そのせいか寿湯、なかなか繁盛しているようだ。隠れ銭湯ファンとしては元気な銭湯に出会うとうれしくなる。一度入りたいのだが自宅からはちょっと遠い。


花総線78号

 さてここから先、川を渡ると花総線の最後の謎――段違い鉄塔が2本現れる。
 腕金が大きく上下に振り分けられ段違いになっている。下の段には線方向にも腕金が延びている。
 こういったタイプの鉄塔は変電所などへ送電線を引き下ろす時に用いられるのが普通だが、77号はマンションに囲まれ、78号は道路と畑に囲まれている。工場や変電所などない。


花総線77号の腕金 こういう不思議なものを見ると悪い癖が出る。跡地捜索が始まった。78号の道路をはさんで向かい、東西線の高架との間に駐車場がある。
 駐車場は常に怪しい。塀に看板、「係員以外の立ち入りを禁止ず」?「係員」って用語は怪しい。「禁ず」、言い回しも古くさい。裏手に回るとありました「危険 高電圧」。ここは変電所だったのだろう。
 向かいの高架の下を見ると「変電施設」の看板がある。地中から太いケーブルが何本も建物の中に入り込んでいる。たぶん東西線の変電施設だろう。かつては花総線から受電していたのだが、変電施設の小型化で高架下に引っ越したというわけか。

立ち入り禁止 高電圧 変電所と地下ケーブル


 一応謎が解けたことにして最終鉄塔79号に着く。均整の取れたきれいなドラキュラだ。地中線の入り口の看板を確認する。「花総線No.79(塔)〜下総 6万」。ケーブルの行き先は今日の目的地、下総変電所だ。

花総線79号

(続く)