スカスカ・ジャミラ 落ち穂拾いの旅 1

スカスカ・ジャミラ

[5月6日の日記]
 東京都23区内の鉄塔地図を書いていていろいろ思い出した。足元までも行っているのだが写真も撮っていない鉄塔。名前を確認していない変電所…。
 連休の晴れも今日で終わり。朝から鉄塔巡視に出動することにする。


 まずは北へ。環七が総武線を越えるところにJR小岩線のスタート地点がある。ここの変電所の名前が分からない。JRの変電所であることは確かだが…
 変電所はフェンスに遮られ入り口まで行けない。環七の跨線橋からは変電所が上から良く見えるのだが門は方向違い。結局変電所名は分からず。勝手に「JR小岩変電所」と決めた。(誰か知っていたらお教えください)


 JR小岩変電所から出るのがJR送電線の小岩線。JR小岩線は何度もたどっているがいつも適当。4号鉄塔までは行っているがその先はまだ見ていない。今日は反省して終点まで行こう。
JR小岩変電所


 総武線新小岩、大きな操車場の中から単線の貨物線が北へ延びている。終着は常磐線の金町。その上を門型鉄塔を連ねて金町まで行くのがJR小岩線だ。JRお得意の「から・まで表記」で「金−小」とか「金町−小岩」とも書かれている。
 JR小岩変電所、新中川の渡河地点と終着のJR金町変電所の付近に四角鉄塔がある以外はすべて門型鉄塔。単調だが結構好きな路線だ。鉄塔も昭和11年7月の記述が多い。とてもレトロな匂いがする。


 JR小岩変電所を出たJR小岩線は数本の門型鉄塔の後、中川を越え手前で四角鉄塔になる。この四角鉄塔が私とJR送電線とのはじめての出会いだ。亀戸線をたどっていた私の目にチラッと鉄塔の影。別の路線かと追いかけた。
 その時この鉄塔を見て「何とずさんな鉄塔だ」と記録した。東電の鉄塔にくらべてアングル材の量がだんぜん少ない。このJR小岩線57号に私は「ずさんジャミラ」と失礼な名前を付けていた。
 JR鉄塔の印象を鉄塔ママ

子どもたちの声がする方へ行ってみると、単純な構造の鉄塔が生えていた!
なんだか、骨組みがスカスカで、思わず「あなた大丈夫?」 と言いたくなるような感じだ。

と表現している。(「送電鉄塔の旅日記」◆岡部境線98号鉄塔 http://members2.jcom.home.ne.jp/tettou-mama/page055.html#98
 「スカスカ」とはうまい表現だ。風が吹くと倒れないかちょっと心配だ。でもかれこれ70年も立っている。実績に照らし「スカスカ・ジャミラ」に変更。


 中川を越えたJR小岩線は中川の左岸沿いに北上する。この辺りとても閑散とした密度の低い家並み。畑もちらほらと見えるとてもよいところだ。


門型の結界写真? JR小岩線は2回線。最初は2本の横桁に3本づつ水平配列で進む。耐張だからキリッとした印象。横桁にはカラス対策か金網が巻いてあり黒っぽく見える。これも鉄塔を引き締める。
 途中で門型鉄塔の左右に三角の腕金が出てそこに1本、残りを2本の横桁で支持する三角配列になる。これもちょと面白い。


 四角鉄塔では東電に比べスカスカな鉄塔のJRも、さすが商売の鉄道鉄構は東電に勝っているような気がする。もちろんこれは見た目の話で実際の優劣は専門家ではないので分からない。

JR小岩線14号
JR小岩線14号
手前の踏み切りは柴又踏み切り、次が浜街道踏み切り


 葛飾区の新宿(にいじゅく)で水戸街道を越える。浜街道踏み切り。名前が気になって後で調べたら「陸前浜街道」は旧水戸街道のことで、たしかに新宿を通っている。
 周囲はけっこう歴史を感じさせる風景がある。このJR貨物線、使われているのを一度も見たことがない。小さな踏み切りと単線の線路、とてものどか。


JR金町変電所 この先で送電線は貨物線から離れ四角鉄塔へ。車でなければ「この先行き止まり」の表示を無視して三菱製紙の工場跡地とJRの間の狭い秘密の抜け道を通ると終点はすぐだ。
 JR金町変電所は最近建て直されたのか表札もピカピカ、引き留め鉄塔も新品のようだった。

続く