水戸線と桜を追って

水戸線133号

 「明日の日曜は雨、お出かけは今日のうち北関東ならまだお花見もできますよ」――天気予報がこう話す。「しばらく遠出をしていない」とバイクも文句を言っている。今日はちょっと足を伸ばすか。
 ケータイで調べた。茨城に山桜の咲く公園があるらしい。名前も桜川市。これは期待できそうだ。もちろんまだ見ぬ送電線にも出会えるだろう。


 常磐道を北に。頭上を見知らぬ送電線が通り過ぎる。利根川の辺りでは50万ボルト級と覚しき荘厳な鉄塔達もいた。それにしても寒い。春のバイクツーリングと思っていたがこれは期待はずれだ。でもがんばってスロットルを緩めず進む。冬場に比べりゃ極楽さ。


 高速を降りて最初の町が笠間。焼物街道なる道を通る。ぐい飲みでも買って帰ろうか…と思うまもなく鉄塔のお出まし。それもドラキュラ型の引き下ろし鉄塔。さっそく立ち寄る。

 水戸線133号。道をはさんで笠間変電所。変電所は施設が全部露天、シンプルで良い。遮断機だろうか巨大な碍子の塊がとてもかっこよい。前のバス停名が「変電所前」というのもいい感じだ。
 鉄塔の横には大きな台座を持つ石灯籠。鉄塔は平成の作だが、こちらは明治期のものらしい。そうか笠間稲荷という有名な神社があったよな。


 笠間稲荷もちょっと見学したかったが、桜に鉄塔の二兎を追っている。稲荷まではちょっと手が回らない。またにする。水戸線129?号


 送電線はそこから小さな川を挟んで遠くの低い山へ向って進んでいる。少し小ぶりな2回線鉄塔だ。頭の真っ赤な三角帽子がおしゃれ。畑手前の鉄塔に寄ってみた。建造年は平成13年。銀色のペイントが光沢を放っている。


続く