京王線のレトロ鉄塔

一の宮線

12月10日の日記の続きの続き)

 川崎街道を南下する。いつのまにか送電線は見失っていたがそのうち出会うだろう。ひとつの送電線を辿るのも面白いが、街道沿いに進み、横切る送電線を見ていくのも楽しい。
 ひとつの送電線を辿る旅が送電線との個人的なお付き合いなら、横切る送電線をつまみ食いするのは楽しいパーティーでの人との出会いに似ている。


 道は高幡不動の前を通り過ぎた。私の子供のころは高幡不動から平山城址までピクニックコースがあった。私の姉は高幡不動へ林間学校に行った。
 今はすっかり開けてしまった高幡不動。何十年ぶりだがどこか見覚えがある。寄って行きたい所だが冬の日はもう陰りはじめている。先を急ぐ。


 左手に鉄道が走っている。京王線のようだ。車両が通り過ぎるとそこにシンプルで古風な鉄塔が現れた。すぐに道を逸れ線路際に。
 線路にそって送電線が走っている。線路沿いに送電線を張る場合は門型鉄塔が定番だが、小さな鉄塔や鉄柱を建てていく場合もある。ここは鉄柱の連続だ。
 小さくシンプルな腕金。碍子は3個。2万ボルト程度なのか。私が近寄った鉄柱には「一の宮線115号」と書かれていた。115本! 鉄柱間の長さが短いとはいえたいした数だ。
 これは気に入った。「そのうち訪問リスト」に入れておこう。


*1 この送電路は歴史が古いらしい。現在は東京電力の管轄だが、京王電鉄の前身―京王電軌のものだったらしい。当時の鉄道会社は電気供給事業も行なうことが多かった。鉄柱の歴史はどうやら大正まで遡れるようだ。以下のサイトにとても詳しく紹介されている。
Oka Laboratory 備忘録
http://okalab.cocolog-nifty.com/blog/2005/05/5_a907.html


続く