高幡不動はどっちですか?
(12月10日の続き)
あっというまに到着した高幡線の代わりに多摩橋線を辿る。多摩橋線はすぐ先で多摩モノレールを越えた。越えたところに別の送電線の赤白鉄塔が立っていた。その下を多摩橋線がくぐる。
赤白鉄塔は桜ヶ丘線19号。京王線に「聖跡桜ヶ丘」という駅がある。あの辺りに行くのだろうか。4回線鉄塔、上が桜ヶ丘線15万ボルト、下が高幡不動線6万ボルト。下の2回線は高幡不動へ行くんだ。
桜ヶ丘線の真下に多摩橋線の61号鉄塔が立っている。そこから2回線の送電線が桜ヶ丘線の赤白鉄塔に向かって延びる。分岐した線が高幡不動線となり桜ヶ丘線と旅をする。変電所あり分岐あり交差ありと今日は忙しい。
多摩橋線は次の鉄塔で多摩川を越えていた。
このまま多摩橋線を追いかけるか、桜ヶ丘線を辿ってみるか。迷いながら歩いていたらリュックサックを背負ったおばさんから声をかけられた。
「高幡不動はどっちですか?」
「高幡不動線ならこの先から伸びていますよ」
と答えるわけにはいかない。
「たぶんこの方向です」
と答えておく。わたしも多摩川右岸を下流に向かって進むことにした。
(続く)