空中のハイウェイ

奥多摩線11、10、9号

2005年10月30日の日記の続き)


 街道へ戻る。さあ奥へ進もう。35号から別れた送電線は対岸へ渡り、谷の奥へ、山の上へと入っていく。
 対岸に3本鉄塔が見える。双眼鏡で確認すると手前の鉄塔は11号、次は10号ということは一番奥に見えるのは9号か。さて線名は何だろう。
 さっき見た古い巡視路の標識が思い浮かぶ――「奥多摩線」。ほぼ確信。


 対岸の鉄塔の並ぶ線上に来る。ここから見ると3本の鉄塔が広い道沿いに並んでいるように見える。実は3本とも違う尾根に立っているのだが、やはりそこに道はある。送電線だけが通れるハイウェイだ。


 バイクに戻って谷を奥に。寸庭という集落へ入る。集落の外れ林道の手前に「奥多摩線No.7、No.8に至る」の巡視路標識。今度は新しい標識だ。登ろうかとも思ったが時間を使ってしまった。民家の軒先でラーメンを作って昼飯。先を急ぐ。


 鳩ノ巣駅の先に白丸ダム。ここで取水して地下トンネルで多摩川第三発電所まで導いている。取水口と思われる口がダムの右岸側にあった。
 このダムでも発電をしている。案内板に「ミニ発電所」と書かれている。観光や川筋の維持のための放流を利用して発電しているらしい。これってやはり最近流行りのエコなんだろうな。


 このダムは魚を遡上させるための魚道が売り物らしい。魚道の一部は何と地下トンネル。そのトンネルを見学出来る。
 地元のおじさんとおばさんが数人談笑をしている。見てらっしゃいと誘われる。客引きをしている、有料かな。とこわごわ近づくが無料。垂直に大きな縦穴があり、らせん状に階段が下りている。


 魚道を見学して地上へ戻る。何か引っかかる。発電所は地下、だから見えない。これは理解出来るが送電線が見当たらないではないか。まさか地下送電?!
 周辺の電柱を見渡す。特に変わったところはない。ん!!6600ボルトの線が2段になっている。これがそうなのかなぁ。*1
続く




*1  家に帰って交通局のホームページを読み直すと

    電力は東京電力(株)の配電線へ送電しています。

と、さりげなく「配電線」ということばが使われていた。何だやはり配電線へ直接入っていたんだ。でも同じページを見ていてまた疑問。
 発電機は「横軸三相同期発電機、出力 1,110kW、電圧 6,600V 1台」。おー配電線と同じ電圧だ!!でもその下に「主要変圧器 三相内鉄型 屋内乾式自冷式 モールド変圧器 容量 1,110kVA 1台」とある。ちょと待てよ?発電した6600ボルトを配電線の6600ボルトへ変圧する必要はないじゃないか??うーんまた謎だ。