駒沢線と桜 3

駒沢線

(2005/4/7の続きの続き)
 千鳥線との短い旅を終えた駒沢線は中原街道を越え大岡山へ。東工大の構内へと入る。丘の上の8号から呑川沿いの13号まで、この先でも1本構内に立つ鉄塔があるから計9本ほどが大学内にあることになる。キャンパスの広大さが分かる。


 呑川に出た駒沢線は東急大井町線東急目黒線を越えて緑道沿いに進む。ここでバイクを置いて後はお約束でゆっくり歩くことにする。
 14号から22号鉄塔まで10本あまりの鉄塔お花見だ。桜は8〜9分咲き、気温も暖かといいたいところだが、とても暑い。ジャンパーも脱ぎ捨てる。何という気温だろう。


 この区間の鉄塔はほとんど高さ25メートル前後。25メートルの鉄塔では市街地は辛いだろう。元々は懸垂型の鉄塔だったものを耐張型に変更しているらしい(*1)。
 腕木は短く、補強材を使わずにシンプルな姿。小さいながら梯子が頂上までついている。これがなければずいぶんすっきりとスマートだろうに。でもこの垢抜けない装備が駒沢線の朴訥とした雰囲気をかもしだしている。


 緑道の左右は道路。真ん中の緑道の左側に桜が植わって、右の道を挟んで鉄塔が並ぶ。かつては川の片側の土手に桜が植わり、反対側の土手を鉄塔が通っていたに違いない。
 川の左右は一面の畠だったのだろうか。案内標識に

「かつての呑川はその名のとおり飲み水にされるくらいの清流で、(中略)江戸庶民の食卓に上る野菜類の生産地として開けた所。近年まで大根、タケノコなどの名産地だった」

とある。


 空は今一つ晴れ渡らない。でも桜には薄曇りのほうがよく似合う。