鉄塔花見 4

(2005/4/9の続きの続きの続き)
　桜で彩られ、子供たちの歓声があがる公園を後にする。

　実は布団を干したまま出かけて来てしまった。そろそろ帰らないといけない。公園の桜と鉄塔にすっかり満足。この辺りで切り上げよう。缶コーヒーを買って少し先の静かな公園で一段落する。どうせなら鉄塔を眺めながら休もう。

　青井線と花川線の矩形鉄塔が仲良く並んで立っている。その手前にきれいな花木が。思わず立ち上がりコーヒー片手に歩き始めた。
　花木が立つのは古い公営住宅の庭。整備され規格に当てはめられた庭じゃない。まるで農家の裏のように自然が息づいている。踏み分け道にもきれいな花が。踏まないように大切に歩く。

　残念ながら木の名前は知らない。赤い花。白い花。そして桜色の花。木の根元は白い花のジュータン。花の額縁の中に独特の三角帽子を突き出した小さなふたつの矩形鉄塔が静かに輝いていた。

　出発した時は花畑変電所まで行けるかなと思っていた。ついに行き着かなかったけど、こんなに一杯花を見たのは久しぶりだ。ピンク色の黄昏のなか家路に着いた。