新鶴見変電所

川崎変電所から新鶴見変電所へ

 薄曇りの一日、川崎変電所から新鶴見変電所を回る。これが今年の初鉄塔だ。
 寒いので電車で尻手まで行く。駅を降りると南武線ジャミラが迎えてくれた。



新川線4号

 尻手から新川線、島崎線沿いに新鶴見変電所に向かう。新川線は川崎変電所と新鶴見変電所を結ぶ6本の小さな路線だ。


 すぐに新鶴見変電所へ出た。広い構内にポツンポツンと受電の門型鉄構が立っている。使われていない単独の鉄構が1基、新川線と新鶴見線を受ける鉄構が2基。新鶴見大船線の引き下ろし鉄塔が1基。新川線の1号と2号鉄塔。通信鉄塔が1基。
 使われていない鉄構は地形図にはあるが現在は廃止されている路線のためのものだろう。地形図では東川崎線のほうまで延びていたようだ。



新鶴見変電所
四角鉄塔は新川線1号


 敷地はとても広大なのだが、現在は空き地だらけ。閑散としている。
 ピラミッド型の細い縦柱3本に横桁を渡した門型鉄構は尖った先端がいい感じだ。受電した新川線と新鶴見線は地下ケーブルで変電施設へつながっているようだ。

新鶴見変電所の鉄塔たち


新鶴見線103号

 新鶴見線の最終鉄塔103号はジャミラだった。上部の主柱が垂直で腕金はオフセット付き。背も大して高くない。なかなか古そうな鉄塔だ。鉄塔札には昭和26年11月とある。


 新鶴見線はとんがり帽子で少し太めの鉄塔が多いのだが、武蔵境変電所の1号。多摩川を渡る45、46号。新鶴見変電所手前の100、102、103号とジャミラが登場する。
 多摩川横断の45、46号は背の高いピラミッド型のジャミラだが、変電所近くの4本は主柱の上部が垂直で腕金はオフセット付き。背の低いいかにも古そうなジャミラ鉄塔だ。



新鶴見大船線

 新鶴見大船線のテラス付きの引き下ろし鉄塔も面白い。ブロッキングコイルのような装置(避雷器?)を経由して線をとりまわしているのがユニーク。

 東京電力の市場線9号が変電所の端に立っている。立地が変電所内と言うだけで線は下ろしていない。この9号は上下振りわけの分岐鉄塔で鋭角に折り返すように2回線を分岐している。
 鉄塔札には「S2.7 45m」と書かれている。鉄塔そのものは新しいと思われるが、市場線という線が古い歴史をもっていることが分かる。



新鶴見変電所

 新鶴見変電所をぐるっと反時計回りに半周して、ようやく断続器や変圧器のような施設が見えてきた。奥には年代物のコンクリの建物が建っている。いい感じの建物だ。


 なおも行くとようやく東側に門。「新鶴見給電メンテナンスセンター 新鶴見交流変電所」という看板を確認した。


南武支線の架線柱

 新鶴見変電所を後に川崎変電所まで戻る。途中、尻手から浜川崎を結ぶ単線(南武支線)の高架をくぐる。高架上には特色有る架線柱。かつて線路上に送電路があったに違いない。往時は本当に送電線だらけだったんですね。どこへ向かう線なのやら。


(帰宅後、地図を見てみたらこの線路の先の扇町にはJRの川崎発電所がある。この鉄柱は川崎発電所新鶴見変電所を結ぶ架空路線の跡なのかも知れない。)