べか舟がくぐった鉄塔

江東線75号

(8月18日の日記です)
 江東線の事故も無事復旧した。今日は江東線の浦安から葛南変電所までの区間に出かけた。


 「ここは元々水田の中を通る水路だったんだ」。今回の復旧作業を見守る地元の人が教えてくれた。江東線が出来た当時から住んでいるのだそうだ。(開通は昭和42年)
 旧江戸川を挟んで前後、江戸川区側も浦安側も水路を跨いで建設されたのだそうだ。


 この区間の江東線は高さ60メートル前後、塔長の半分ほどを使って大きな腕金を伸ばす。塔体も太く、安定感のあるずんぐりとした巨大鉄塔たちだ。
 そしてもっとも独特な点は足の最下部が突然大きく広がっていること。なるほどこれは水路を跨ぐための広がりだったに違いない。


 江戸川区側の足元は公園の木々に隠れてよく見えないが浦安側の鉄塔ではよく見える。そこで浦安側を旧江戸川から葛南変電所までたどる。


江東線75号の足元
 浦安側は水路だった跡が細長い緑道になっている。江東線はその上を進む。面白いのは鉄塔の足が緑道の横幅から大きくはみ出していること。緑道沿いの道は鉄塔の足元毎にぐにゃりと迂回している。
 緑道の幅が水路でその岸辺に鉄塔の土台があったと考えるとこの出っぱりが納得できる。


 山本周五郎の「青べか物語」で有名なべか舟がこの鉄塔をくぐって行き来したこともあっただろうか。【リンク変更】


 江東線は浦安から市川に入る。葛南変電所の手前でこの――たぶん原型と思われる――独特の形は終る。その先は背の高い巨大な鉄塔群が続いている。
 背の高い巨大鉄塔も立派だが、ずんぐりとして、いかにも頑丈そうな姿の江東線がとても好きだ。

江東線71号
江東線71号。奥に見える赤白鉄塔は葛南変電所
に立つ69号。この辺りの線下は駐車場になっている。