撤収 東京大停電8

sarumaruhideki2006-08-18

8月16日の日記続きの続き)
 食事を終えて9時過ぎに現場へ戻る。そろそろ終わりそうですかと聞くと最後の調整をしているところだとのこと。作業は順調に進んでいるようだ。
 この3日間、朝は7時集合で初日は午前1時、2日目は11時、今日は10時まで作業。寝る時間を詰めた作業だったようだ。
 とくに送電線に乗った5人衆は、朝、作業地点まで行ったら夜の作業終了まで線の上で過ごすらしい。何ともすごい。
 停電がお盆に起こったことは社会にとっては幸いだったが、作業に携わる方々にとっては災難だ。「田舎の墓参りに行けなかったよ」と地上で見守る年配の作業員の方がこぼしていた。


 最後の調整が終り、線の上に残る人数が少しずつ減っていく。10時少し前、撤収で慌ただしくなった現場を後にした。見事3日で復旧を果たした工事の方々に感謝。久しぶりにカッコいい男たちを見ることができた3日間だった。
 鉄塔たちも今夜からは元のように静かに夜を過ごせるだろう。そして充電が開始され何事もなかったように黙って電気を送り続ける。川の中間地点についた16本の包帯――事故と補修した男たちの思い出をさりげなく残して。