夜の宙乗り 東京大停電その2

 午前中、事故現場を見てから仕事の打ち合わせに向う。前回の打ち合わせを急用で変更してもらっていたので今回は行かざるえない。


 仕事が終わってまた現場に戻ったのはとっぷり日が暮れてから。対岸に投光機が灯され真っ暗な空の中に作業員の姿があった。肉眼では人の姿を確認するのはほとんど困難だが、ヘッドランプの光と声でそれと分かる。


 急いで家に戻り三脚を持って引き返す。真っ暗な夜空の中に溶け込んでいた作業員の姿がカメラの長時間露光で浮かび上がってくる。作業しているのは川上側のあまり被害のなかった送電線部分だ。


 地上で見守る作業員の方にどんな作業ですかと聞くと補修作業だという。引き直しをするかどうかは分からないそうだ。


 朝見たときは痛々しく無残に剥かれたアルミのケーブル。残った鋼芯の細さに到底作業は危険ではと思っていた。でも今テレビで確認すると大きな損傷のあった海側の回線を補修している姿があった。


 ほんとうにたいへんな作業だ。感謝。