駒沢線と桜

駒沢線

 温かい。というより暑い。桜が咲く。早く行かなければ花の命は短いのだ。


 ということで仕事を放り出して駒沢線へ向かう。駒沢線の緑が丘から都立大までの区間呑川緑道へ向かう。名前で分かるとおり川を埋めてできた緑道。川とくれば桜土手。この緑道は桜の並木になっている。
 この区間鉄塔たちはみな「大正15年12月」の標札を誇らしげに掲げている。25mの低い鉄塔。腕木は補強材を使わずシンプルに4本の鋼材からなる。駒沢線の中でもっとも往時を偲べる区間だ。この鉄塔たちと桜の組み合わせを見たい。


 この前ここを歩いた時は冬。たっぷりと日が暮れて鉄塔番号を確認するのも難しかった。今日はまだ日も高い。おまけに鉄塔10本に満たない短い区間。やるぞ。
 この前、春の日差しの中ゆっくり歩こうと決めていたのだ。


(続く)