近所の鉄塔 3

長島線11号

(2005年3月20日続きの続き)
 葛西橋線――地味さでは誰にだって負けない路線――が人懐かしげに呼んでいる。でも今日は葛西に行きたいので悪いけど遠慮しておく。長島線を辿る。


 長島線の鉄塔たちは細長く伸びた公園に沿って進む。細長く伸びた公園には必ず前歴がある。川や用水、掘割の跡地というのが通例か。葛西の細長公園の前歴は知らない。幅は左右の道を含め50メートルほどある。鉄塔が立った昭和35年ころ、ここは何だったのだろう。


 前歴は知らないが散歩にはもってこい。道で分断される細長公園ひとつ毎に鉄塔が立っている。10号は最初の公園、次の公園に11号。


 道を渡って11号に向かうと手前は小さな梅林になっていた。今年は寒さが続いているせいか梅がまだ満開だった。
 写真を何枚か撮ったが梅林はもう日がかげっていてうまくない。でも見上げる10号鉄塔は残照に赤く染まっている。こんな時は心のシャッターを切っていれば良い。梅のほのかな甘い匂いのするいい風景だ。
(続く)





写真は次の日に出かけて行って陽光の中撮ったものです。