立ち寄り・分岐・捻架鉄塔

花総線21号

昨日の続きです

 さあ水戸街道を越える。越えたところが5号。そして次の鉄塔が問題の鉄塔だ。
 次の鉄塔は花総線と奥戸線が一つの鉄塔に集まる。鉄塔の看板は「花総線21号」。そこからまた送電線が2系統伸びる。一見、花総線と奥戸線がクロスしているように見える。しかしよく見ると'X'ではなくて'><'である。奥戸線と花総線は交わらずに離れていく。「立ち寄り鉄塔」とでも呼ぼうか。
 クロスしているものと思い込み元の線の延長線上に進むと違う系統に行ってしまう。以前、花総線を辿った時にこれにひっかかり大汗をかいた。


 今回は単眼鏡を取り出してじっくり観察することにする。
 おや回線数が違う。花総線は2回線で入り2回線で出る。奥戸線は2回線で入り出る方向は4回線だ。単眼鏡でじっくり線を辿ると花総線がこの鉄塔で1系統分岐していることが分かる。分岐した1系統は奥戸線と同じ経路をとり伸びる。つまり下のようになる。

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奥戸線 花総線

 それにしても複雑な線の取り回しをしている。じっくり線を1本ずつ辿った。ん!捻架*1してるんじゃない!(捻架というのは送電線の上中下を入れ換えること。捻じるわけね。何でそんなことするのかは難しくってよく分からないので興味がある人は下に紹介したサイトを読んで。)


 立ち寄り、分岐、捻架。いやはや複雑だ。時間をかけて単眼鏡で観察するがやはりよく分からない。単眼鏡だと遠近感がないのでだめなのかも知れない。荷物になるが今後は双眼鏡に変えようか。アップの写真を撮って後で分析することにする。

 さあ後3本で1号鉄塔にたどり着くはずだ。隣の鉄塔へ歩く。鉄塔へついて看板を見ると何と「白鳥線4号」とあるではないか。やや奥戸線はいずこへ。鉄塔の根元付近にある回線票を探す。上段が白鳥線、下段が奥戸線と書かれている。回線としては奥戸線は健在だが鉄塔の名前が変わってしまった。これは残念だ。鉄塔の形も矩形鉄塔の連続が特色だったのに普通の四角鉄塔になっている。
 白鳥線3号は団地の横に、そしてすぐ向こうに2号。2号の先には1号の立つ江戸川変電所の建物の姿が見える。江戸川変電所ちょっとレトロでいい感じだ。変電所の受電口に奥戸線の名前を確認して安心して帰る。
 それにしても白鳥線って4本だけ?短い系統だこと。


 江戸川変電所はまた来ることにして家路につく。帰宅途中におかしなことに気がついた。奥戸線5号の次が花総線21号、そして白鳥線の鉄塔が4本。数が合わない。白鳥線1号鉄塔は奥戸線の0号ってことになってしまう。この5本のうちに1本「の1鉄塔」*2が必要だ。奥戸線5号―花総線21号―白鳥線4号は距離が短い。とすれば花総線21号が奥戸線4-1鉄塔扱いなのか?それとも奥戸線は0号を持っているのか?またまた謎が生まれてしまった。


*1 捻架(ねんが)

 捻架については Yoshihiro'sの以下のページを参照してください。
http://www.ayame.sakura.ne.jp/~yosihiro/14Tetto_Kosekibo/5Nenga/Nenga.html
Yoshihiroさんは送電線を仕事にしてきた方。建てた鉄塔の思い出や送電線の知識、送電に関する意見…特にQ&Aは必読ものである。プロはやはり違う!!鉄塔以外のエッセイも充実している。

*2 の1鉄塔

 送電系統の変更などで鉄塔が増えた場合に枝番を振っていく。8と9の間に1本立てたら8-1(8の1)鉄塔だ。こういった枝番付きの鉄塔を「の1鉄塔」と呼ぶ。