葛飾の角

奥土線11号

 久しぶりに鉄塔めぐりに出る。奥土線の続き。今回は中川の先を探る。
 まずは環七の青戸橋からの眺めを楽しむ。橋から東を眺めるとまず奥戸線の河川横断が目前に広がる。何回か続けて奥戸線を辿っている内に矩形鉄塔の美しさが何となく感じられるようになった。紅葉した樹木をすそ模様に堂々と立つ11号。下町の小さな家並みの空に超然とそびえる10号。

 遠望するとJR送電線の小岩線、東電の花総線、亀戸線、そして小松川線。あの赤白鉄塔は江戸川の手前に立つ小松川線94号。とすればその先の数本の鉄塔はもう千葉は矢切の畑の中に立つ鉄塔群だ。豪華な眺めをしばらく味わう。


 この橋のすぐ手前で中川と新中川が分かれる。新中川は昭和38年にできた人口放水路。ここからまっすぐに下り江戸川区今井で旧江戸川に合流する。この川のJR総武線より下流では川沿いに154KVの東電小松川線が通っておりとてもよいところだ。
 一方の古い中川はここから南東に向かって下っていく。直線で3、4キロ先で荒川に合流するが、その間は大きくW字型に蛇行して葛飾区を2分している。大自然が作った川筋が残る貴重な場所だ。
 「ドイツの角(つの)」【リンク修正】と呼ばれるのはライン川モーゼル川の合流点、コブレンツの街にある有名な観光名所だ。ここは中川と新中川の分流点。規模も有名度も違うし、風景もあちらのほうがやっぱ良いし、合流と分流の差もあるのだが、ここもなかなか風情のあるところなのだ。「葛飾の角」と呼ばせてもらうことにする。


 合流点のすぐ上流にきれいなハーブ橋がある。最近かけ替えられた高砂橋だ。高砂橋の眺めはとても良いが、かけ替え工事に使った仮橋の撤去工事を行っていて写真にはちょっと都合が悪い。しばらくしてまた出直そう。

    • 長くなったので明日に続く