駒沢線と桜 2

千鳥線37号

(2005/4/7の続き)


 まっすぐに中原街道を下る。どうせなら駒沢線の洗足変電所からスタートしよう。右手に洗足池。ここも桜はきれいだろう、でも鉄塔花見にはならない。池とは反対の洗足池駅方向に曲がる。駅を過ぎるとそこに洗足変電所がある。
 洗足変電所は千鳥線とそれに共架してやってくる駒沢線の計4回線を線路の上から受けとる。他のルートはすべて地下化されているのだろう。使われていない鉄構や鉄塔が残っている。


 変電所から東急池上線の上を千鳥線の門型鉄塔が伸びる。最初の鉄塔は40号。鉄塔標札を確認すると大正15年12月とある。駒沢線ができた時の年号だ。駒沢線は5号鉄塔から千鳥線37号に共架され、ここまでつながっている。千鳥線40号が駒沢線1号にちょうど該当する。すごく納得。


 ここから先、次の石川台駅の間はとても深い切り通しになっている。切り通しの上に沿って千鳥線の門型鉄塔は背をぐんぐん伸ばす。どんどんのっぽになっていく。そして丘の頂上まで伸び上がり駒沢線を右手に分岐する。
 背丈が何メートルになるのか、鉄塔標札が確認できないので分からない。その高さを支えるためだろう、足元を広げたとても面白い形の門型鉄塔だ。門型鉄塔というと単調で面白みに欠けるものだが、ここの門型鉄塔はダイナミックで格好いい。


 丘の頂上、千鳥線37号で駒沢線は駒沢線5号鉄塔へと分岐していく。37号は強度を増すためだろう線路に沿って支えの壁を持つ変形鉄塔だ。
 千鳥線はそのまま線路に沿って高度を下げながら多摩川の方へと向かっていく。送電線の先を陸橋の上から眺める。


 大きな切り通しの壁は春草に覆われ土手の上は桜並木。8分咲きの桜が春の日差しを浴びている。少し前までの冬並の寒さが信じられない温かさ。ジャンパーの下に着込んだフリースを脱ぐ。


 ここから駒沢線は丘の頂上を渡りながら東工大の構内を通って呑川へ向かう。目的地の呑川緑道はもうすぐだ。
(続く)